見られてる
私が洋服を買う為にデパートに向かって道を歩いていると、なぜか周りの人々がちらちらこっちを見ているような気がした。
「ママーあれ。」
「しっ。見ちゃいけません。」
子供が私を指差した。母親が慌てて子供を連れて行く。
やっぱり見られている。
デパート内でもなんかじろじろ見られてる。
私はデパートで数着服を選んだ。会計の人にもなんかじろじろ見られてる。
「あ・・・あの・・」
「何ですか?」
「え・・いやなんでも。」
服を買い終え、デパートのトイレに入って自分の姿を確認した。Tシャツとスカート。どこもおかしいところはない。
帰る途中、公園に行き、自動販売機でジュースを買い、ベンチに座って飲んだ。公園で遊んでいた子供達や親達がやっぱりちらちらこっちを見てる。何でだろう。
ふと私は地面の水溜りを見た。
すると水溜りにはベンチの後ろに黒いマントを着た男が立っているのが映っていた。
私は絶叫した。
絶叫して逃げようとする私の手をつかんで
「みくちゃん!」
と叫ぶ男を見た公園の人が、近くの交番にいた警察官を連れてきた。
「あなた!何しているんですか!」
警察官が黒いマントの男を取り押さえる。
「ご…誤解です。私は・・・。」
男は頭のフードを取った。
「私は…私はこの子の父親です!!!」
「「へ?」」
父さんは警察官にこっぴどく怒られていた。
「すいません、すいません、」
と、ひたすら頭をさげる。
「全く・・・いくら娘さんの事が心配だからって・・・」
父さんは最近口を利かなくなった私を心配していた。そして今日、突然「買い物にいってくる」といった私を見て、「もしかして彼氏とデートするんじゃ・・・ガクブル」となったらしい。それで後をつけていた。
彼氏とデートしにいったのではない。彼氏とのデートの日に着る服を買いにいったのだ。ったく・・・。
「どうやら一人のようなのでそろそろ帰ろうとしたのですが・・。」
「だいたいなんで黒装束なんだよ。」
私が聞くと
「だって目立たないようにするため・・・。」
父は机に撃沈しながら答えた。
いやかえって目立つよ。それ。
「とにかく怪しい行動はやめてくださいね!」
警察官の人はため息を吐きながら注意した。
「あと・・・。それとねお嬢さん。」
警察官の人はこっちに向き直った。
「は・・はい何でしょう?」
「君ジーパンのチャック少し開いてるよ。」
私は撃沈した。
この小説は少しおかしいところがあります。どこでしょう。