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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

俺の家族の願い……

掲載日:2026/05/04

11歳の妹、羽月は余命宣告をされて痛みに耐えながら入院。

「楽になりたい」と。

母は、不眠症で薬で寝ている。

「羽月がもう苦しむ姿は見たくない」と。

父は、仕事やお母さんの付き添いなどで疲弊。

「もう、疲れた」と。

12歳の兄、冬真は幸せな家族が欲しいと願う。

どうすれば良いのだろうか。

神様に願っても助けてくれない。

どうすれば、どうすれば良いの?

妹が、久々に家に帰って寝たいと担当医師に言ったそうだ。それで帰って来ると、お父さんが夕飯の時に言っていた。

そう、3日後に…。

丁度良い、考えていたことが出来るかも知れない。家族の願いを叶える事が出来る。

皆、喜ぶだろうか。

感謝してくれるだろうか。

頭を撫でてくれるだろうか。

良い子だと言ってくれるだろうか。

そんな事を思い、準備に取り掛かった。




あっという間に、3日後。

3人で羽月を病院まで迎えに行く。

今日の予定は、4人で家でのんびりするという物だ。羽月になるべく負担が掛からないように。

車に乗っている間、誰も喋らなかった。

だが、無音でもなかった。

外の音や車の音、父が好きな音楽があったから。

別に冬真は気まずくなかった。

横の羽月も、外を観たり音楽を聴いていて楽しそうだった。

家についてからというもの、4人でゲームをした。久しぶりに、ゲームをやった。

楽しかった。


21時頃に、羽月は寝に行った。

父や母も、21時半頃には寝に行った。

冬真も、自分の部屋に行った。

別に、寝に行った訳ではない。

成功率を上げるために、22時半頃に決行をしようと、その間までシュミレーションをしておこうと思っているだけだ。


22時半。決行の時間だ。

自分の部屋から出て、1階にあるキッチンに行く。なるべく音を消して。

キッチンから、包丁を取る。

2階に上がり、羽月の部屋に入った。

静かな、規則正しい寝息が聞こえてくる。

そんな羽月の首を包丁で狙う。

そして、ザクッと音が聴こえて黒っぽい赤が飛び散る。冬真にも掛かる。

羽月は、冬真よりも黒っぽい赤塗れになっていた。特に、包丁をぶっ刺した首らへんには。

羽月が何か言ってたように聞こえたが、刺した音と血の出る音で聞こえたなかった。


終わった。

これで、願いが叶えられるだろうか。

羽月と母の願いは叶っただろうが、父は……よく分からない。

疲れた、それがどうやって取れるのか。

寝れば取れるのだろうか?冬真にとっては、よく分からない願いだった。

死ね=楽になれるのだが、楽になりたいとは父は言っていない。

だから、父なら自分で叶えられるだろうと願った。

父は、剣道で全国大会に出場したらしいので、冬真よりも強い。

それならば行けるだろうと思ったのだ。


そして冬真は、キッチンに戻り包丁を軽く洗って元の場所に戻した。

そのついでに、顔や手や腕等に付いた物を洗い落として部屋に戻った。

部屋では、新しいパジャマに着替えてそのまま寝た。


次の日起きたら、警察が来ていた。

母は泣き崩れて居て、父は泣きながら警察の人に何かを話していた。

「父さん、どうしたの」

父のパジャマの裾を引っ張りながら言った。

「羽月が、首を、刺されて、死んでいたんだ」

途切れ途切れで言った。

「?」

何で泣いているんだ?羽月の願いは叶えた。楽になりたいという願いは、兄である冬真が叶えたんだ。何故、泣いているんだ?

「何で、泣いているの?」

そんな事を聞くと、父は冬真の頬を思いっきり叩いて怒鳴った。

「大事な、大事な家族が死んだんだぞ。

それの何が悲しくないと言うのだぁ。」

冬真は、自然と泣いてしまう。

せっかく願いを叶えてやったのにと。

「羽月が楽になりたいって言ったから、楽にしてやったのに、何で嬉しそうじゃないの?

僕、何か悪い事した?」

それを言うと、さっきよりも父が冬真の胸ぐらを掴んで来た。

「今、なんて言った。

お前が羽月を殺したのか」

「っ、だって、羽月が楽になりたいって、その願いを叶えたのにどうして喜んでくれないの?母さんの願いも叶えたよ。もう、羽月の苦しむ姿を見たくていって願い、叶えたのにどうして、どうして喜んでくれないの

あぁ、そうか。まだ父さんの願いを叶えてないもんね。そうだよ、ね。」

胸ぐらを掴まれたまま、苦しくても言った。

冬真の頬には、涙が伝っている。

父さんの頬を触ると、父さんは冬真を前へ飛ばした。

冬真に殴り掛かろうとした父を、警察官達が止めに入った。

「署でお話をしようか」と警察の人達に連れて行かれる。

リビングから出ようとした時に見てしまった。

母が凄い顔で、まるで親の仇の様な顔で此方を睨みながら近づいてきた。

そして、激痛が走った。

「アッ」

その激痛の方を見ると、心臓部分に包丁が刺さってあり黒っぽい赤が流れていた。

そして最期に見たのは、警察の人達が母を取り押さえていた所だった。

『昨夜未明、娘が血を流して息をしていないと通報が入りました。

警察によるとまだ調査中ですが、長男が長女を殺したと発言をしていた事が分かりました。

ですが長男は、激昂した母親に刺されて死んでしまったと。

えー、現地の〇〇さんどうですか?』

『……はい、救急車やパトカーがまだ止まっていますね。

ご近所の話しによると、大変仲がいい家族で長男はしっかり者に愛想も良かったと聞いております。

以上、現場からでした。』

『次のニュースです。』

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