第21話:極東の巫女姫と、封印された『淫らな神力』
「……今度は、随分と趣の違う国だな、ジェミニ」
『肯定します、マスター。ここは極東の島国「日ノ本」。独自の八百万の神力を操る、閉鎖的かつ神秘的な地域です。……ですが、ここもまた、歪んだエネルギーの蓄積によって「最適化」を必要としています』
世界樹の転送門を抜け、俺たちが降り立ったのは、桜の花びらが舞い散る、静謐な神社の境内だった。
砂漠の熱気とは打って変わり、湿り気を帯びた涼やかな風が、俺たちの新しい衣装を揺らす。
「カイト様、この『キモノ』という衣装……帯を締めるのが少し大変ですが、不思議と背筋が伸びますわ」
セシリアが、豪華な刺繍が施された振袖姿で、慣れない歩調に戸惑いながらも俺の腕に寄り添ってくる。
王女の気品はそのままに、和装の奥ゆかしさが彼女の豊満な曲線を「隠すことで強調」していた。
「……私は、この『ハカマ』という動きやすさが気に入りました。……ですが、この胸元の合わせ、少し油断すると……カイト様に見られてしまいそうです」
リンは巫女装束をベースにした軽装の武者姿。白い小袖から覗くうなじと、袴の隙間から時折見えるしなやかなふくらはぎが、戦士としての色気を放っている。
そんな俺たちの前に、カラン、コロンと下駄の音を響かせ、一人の少女が現れた。
燃えるような緋色の袴に、透き通るような白い肌。
この国の最高守護者にして、神の声を聴く巫女姫、ヒナタ。
だが、彼女の瞳は虚ろで、その白い小袖の下――【胸元から喉元】にかけて、墨をぶちまけたような「呪いの痣」が、淫らに波打っていた。
「……あなたが、異国から来た『神の御手』を持つお方か。……お願いだ。私のこの、神の名を借りて暴れ出す『忌まわしき情動』を……封印してほしい」
ヒナタが畳の上に膝をつき、深々と頭を下げる。
彼女が動くたびに、体内に封じられた巨大な神力が、彼女の理性を焼き切ろうと熱い霧となって溢れ出していた。
『マスター。鑑定詳細を表示。対象:ヒナタ。状態:神力飽和。……彼女の「呪いの痣」は、神力が排出場所を見失い、体内で熱に変換されている証拠です。……今すぐ、彼女の『言霊の通り道』――つまり、鎖骨から胸の間にある【神の窓】を、あなたの指先で直接開放する必要があります』
「……また胸の近くだな。ジェミニ、お前……」
『私は効率を(中略)。……さあ、ヒナタ様。奥の「離れ」へ。……マスター、彼女の小袖を、その……神の窓が見えるまで、はだけさせてください。……冷却効果のある「霊力の筆」による、直接的な描画治療を行います』
俺たちは、静まり返った離れの和室へと入った。
畳のい草の香りが漂う中、ヒナタが自ら、白い小袖の合わせをゆっくりと緩める。
露わになったのは、雪のように白い肌と、そこに生々しく刻まれた黒い呪印。
「……っ、あ……。熱い……。誰かに、触れてもらわないと……私、壊れて……しまう……っ」
ヒナタの吐息が、桜の香りに混じって甘く響く。
俺は、ジェミニが生成した「霊力の筆(実際には俺の指先に魔力を集中させたもの)」を構え、彼女の鎖骨の中心へと触れた。
「ひゃうんっ!? ……あ、ああぁぁぁっ! 筆が……冷たいのに、中が……燃えるように、熱い……っ!」
俺の黄金の魔力が、指先を通じて彼女の肌に呪文を描くように浸透していく。
ヒナタの喉元から、胸の谷間のさらに奥へと、俺の指が滑り込み、呪いの痣を一つずつ黄金の光へと書き換えていく。
彼女のしなやかな体が、畳の上で悶えるようにくねり、袴が大きく乱れていく。
「あぁぁっ……! 気持ち、いい……。もっと、もっと深く……描いて……っ。神様よりも、あなたの指の方が……私を、満たしてくれる……っ!」
彼女の唇から、厳格な巫女姫とは思えないような、魂の底からの悦びの声が漏れる。
それを見ていた背後のヒロインたち――実体化したジェミニ、リン、セシリア、クラリス、エマ、エレナ、ナディアが、嫉妬と興奮で部屋の障子を震わせるほどの圧を放っていた。
「カイト様……! その『筆』の使い道、私も後で教えていただきたいですわ! 私のこの……熱い部分にも、何か……描いてくださいまし!」
セシリアが、潤んだ瞳で自分の胸元を指し示す。
「……マスター。ヒナタ様の神力と、あなたの魔力の相性は一五〇%を超えました。……これより、彼女の神力は、すべてあなたの「夜のエネルギー」へと変換されます」
ジェミニが、無機質ながらもどこか独占欲を感じさせる声で宣言した。
【状態:巫女姫ヒナタ、鎮魂(陥落)完了。……極東の八百万の神力が、カイトの所有物となりました】
『マスター。おめでとうございます。これで世界の魔力ネットワークはさらに強固なものとなりました。……ですが、ヒナタ様が「神の窓」を開放したことで、彼女の中に眠っていた【献身の本能】が爆発してしまいました。……今夜、彼女はあなたを「神として奉る」ための、秘密の儀式を用意しているようです』
「……ジェミニ。俺、今度は畳の上で干からびるのか?」
『心配無用です。……私はすでに、この部屋に「精力最適化」の香を焚き込めました。……さあ、マスター。夜が明けるまで、この大和撫子の神力を、存分に描き換えてあげてくださいね』
俺の指先は、和室の静寂を破る甘い悲鳴と共に、またしても「神がかり的」な働きを強いられることになった。
桜の花びらが夜風に舞い込み、ヒナタの乱れた袴が畳の上に散らばる。
俺の成り上がりハーレム伝説は、極東の地で「神の領域」をも最適化し、もはや誰の手にも負えない愛欲の神話へと進化を遂げていく——。




