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第12話:世界樹の館の初夜と、嫉妬の四重奏

世界樹ユグドラシルの最深部から転送ゲートを潜り、俺たちが辿り着いたのは、元の「亡霊公爵の館」……ではなかった。

『マスター。世界樹の全権限を掌握した結果、この拠点は【世界樹の神殿ユグドラシル・パレス】へと自動アップグレードされました。敷地面積は以前の十倍、全ての設備が神話級の魔導回路で直結されています。……もちろん、寝室のベッドの広さも、四人が同時に暴れても問題ないレベルに最適化済みです』

「暴れる前提で設定するな、ジェミニ!」

 見上げるような巨木の内部と、白亜の豪邸が融合したかのような幻想的な建築。

 庭園には万病を癒やす霊草が咲き乱れ、蛇口を捻れば高純度の魔力が溶け込んだ聖水が溢れ出す。もはや「館」ではなく、一つの「聖域」だった。

「わぁ……。ここが、私たちの新しいおうち、ですか?」

 俺の腕に抱かれたまま、精霊姫エマが翡翠色の瞳を輝かせる。彼女は救出されたばかりで体力が戻っておらず、依然として薄い羽衣のような布一枚を纏っただけの、危うい姿だ。

「ええ、エマ様。……ですが、ここでの主導権リードは、先にカイト様に仕えていた私たちが握らせていただきますわ」

 セシリアが、どこか牽制するような笑みを浮かべてエマの肩に手を置いた。

「そうです。エマ様はまだ『治療』が必要な身。カイト様への過度な接触は、毒になりかねません……よね、カイト様?」

 リンが、俺の反対側の腕をギュッと抱きしめ、柔らかい胸の感触をこれでもかと押し付けてくる。

「……ふふ、お二人とも。エマ様の治療こそ、聖女である私の管轄ですわ。……さあ、カイト様。まずは皆様の溜まった『魔力の澱み』を、新しい主寝室で一気に解消してしまいましょう」

 クラリスが、慈愛に満ちた(しかし瞳の奥は一切笑っていない)表情で、巨大な扉を指し示した。

 案内された主寝室は、床一面に最高級の毛皮が敷き詰められ、部屋の中央には一つの「池」かと思うほど巨大な天蓋付きベッドが鎮座していた。

『マスター。推奨事項です。現在、四人のヒロインたちの魔力波形が互いに干渉し合い、非常に不安定な状態にあります。……原因は、あなたに対する「独占欲の過負荷」です。これを放置すれば、この館の魔導動力炉が嫉妬のエネルギーで爆発します』

「嫉妬で爆発とか、どんな設計だよ!」

『解決策:今夜、このベッドにて「四人同時並行の魔力共有シェアリング」を行ってください。……一人ずつ順番に相手をしていては、後回しにされた者の不満が臨界点を超えます。……さあ、マスター。中央へ。彼女たちの「聖痕」を、同時に掌に収めるのです』

 俺は、運命を悟った。

 巨大なベッドに腰を下ろすと、待ってましたと言わんばかりに、四人の美女たちが四方から群がってくる。

 右からは、騎士の意地を見せるリン。

 左からは、王女のプライドを脱ぎ捨てたセシリア。

 正面からは、神への背徳感に頬を染めるクラリス。

 そして膝の上には、生まれたての雛のように俺を求めるエマ。

「……あ、ああぁっ! カイト様の……手が……っ!」

「はぁ、はぁ……っ。ここですわ、もっと、深く……っ!」

 俺の両手、そしてジェミニから供給される「最適化魔力」を帯びた両足までもが、彼女たちのデリケートな部位に触れ、魔力を流し込んでいく。

 リンの項、セシリアの胸元、クラリスの下腹部、そしてエマの、世界樹の核へと繋がる瑞々しい背中。

 四人の吐息が重なり、部屋の中に濃厚な魔力の霧が立ち込める。

 

 リンは俺の首筋に顔を埋めて震え、セシリアは俺のシャツを掴んで涙を浮かべる。クラリスは恍惚とした表情で祈りの言葉を漏らし、エマは俺の耳元で「あ……ぁ、ますたぁ……」と甘い声を上げ続けた。

 鑑定ウィンドウには、四人のステータスが狂ったような色彩で表示されている。

【状態:四重奏カルテット・リンク。全員の感度が三〇〇%上昇中】

【特記:マスターへの依存度が「神話級」に到達。もう、彼無しでは世界を維持できません】

「……ジェミニ。これ、俺が最強になるためとはいえ……俺、明日生きてるか?」

『マスター。安心してください。現在、あなたの細胞は世界樹の魔力により超速再生リジェネレートされています。……つまり、彼女たちがどれほどあなたを求めても、あなたは永遠に「現役」でいられるというわけです。……素晴らしい最適化ですね』

「それはつまり、一生休めないってことだろ!」

 窓の外では、世界樹の枝葉が俺たちの「魔力交換」に共鳴するように、黄金の粉を撒き散らしながら輝いている。

 王都で無能と蔑まれていた俺は、いまや世界の核となる場所で、四人の絶世の美女たちを「最適化」し続ける支配者となった。

「カイト様……私、もっと……もっと熱くしてほしいです……」

「ずるいですわ、エマ様! 次は私ですわ!」

 夜はまだ、始まったばかり。

 世界樹の館を舞台にした、俺の底知れないハーレム生活は、この「初夜」を皮切りに、さらなる過激な領域へと突入していく。

 翌朝、俺を待っていたのは、四人の美女が絡み合った「人間団子」状態の中心で身動きが取れなくなった、最高に贅沢で破廉恥な現実だった。

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