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?6話 少女の護衛とNOT落ちこぼれ記者

舞子、トイ、久兎の3人は力を合わせて覗き魔を倒した。そして話し合いを始める3人。

「舞子、大丈夫か?もうこいつは結構懲らしめたから目の前に来ることはないと思うぞ。」

「・・・すいま」

 トイの仮面の奥からは何も見えないけど、怒りに満ちていることはわかる。たくさんの木が生えているがトイが自然に癒されるのはもう少し時間が経ってからかな。


そして、トイの足元に転がっているのは私の足元に隠れて覗きをしていた男。あまりにも痛々しい姿をしているが、落ちてくる葉っぱに隠れてすぐにその姿は消えた。そして謝っている声も葉の落ちる声にかき消され雑音になって消えた。


「舞子ちゃん、戦闘の才能あんじゃん!」

「まあ久兎のおかげでもあるけど、私すごいでしょ!」

仲間のおかげであることに違いはないけど、心が弱まっている中で自分が役に立てたことは自信を取り戻そうと思えるきっかけになる。だから自分をとことん褒めてあげたい。


「確かに舞子は凄いけど、こいつが地面から出てきてたら多分舞子でも殴り勝てたぞ。地面の中でスピードあってもあんま痛くないし。」

確かに音からは想像ができないほどダメージが入っている。いくら地面の中にいて葉っぱが落ちる音と重なっていたとしても、この痛々しい姿ならもっと殴る音が聞こえたはず。


「でも私、想像ついてたよ?」

「・・・舞子、どういうことだ?」

「この人はずっと潜ってたわけでしょ?なら久兎が道具を取りに戻った時に私を襲おうと思えば襲えたはず。でも襲わなかったということは?」

「木が倒せない舞子ちゃんの姿を見て負けると思ってしまうほど弱い、ってことか。俺より太いのにねえ。」

横幅が久兎の3倍あるけど、これは久兎が細すぎるだけでこの人は別に普通の体型な気がするけどなあ...


「地面に潜り込んで刀とかあれば俺に斬りかかったりもできたんじゃないのか?」

「・・・体が動かないんですよ。」

 弱々しい声が葉っぱの山の中から聞こえる。

「もっと鍛えればお前も強くなれたはずだよ。」

トイは先ほどのほとぼりが冷め、優しい声が戻ってきた。


「久兎、舞子、ちょっと向こうの方行こう。そこで俺たちを囲うように木を生やしてくれ。」

「ああ、わかった。」

理由も言わずにスタスタと歩いて行くトイの後を、何もわからず私と久兎はついて行く。


「よし、ここだ。」

ゾゾゾ

 隙間なく生えた木は先ほどまで見えた太陽すら隠している。

「舞子をあっちの世界に返す時、護衛をつけたいんだが。舞子、どうだ?あっちに行くための素材は貴重だけど絶対二人分すぐに確保する。」

トイは私を心配してくれている。でも私は強くなって自分の手でお母さんを救いたい。


ただ強くなるまでにどれだけの時間が残されているかわからない。一刻も早く戻らないといけない現状で、自分のエゴを押し付けてはいけない。


「わかった、トイ。でも誰を護衛につけるの?トイはダメでしょ?」

「ああ、俺はまだたくさんやることがある。それに魔物を倒せないハレントとかの魔物もダメ。あと転生者は元の世界に戻れば一定期間は他の転生者から触れられない、と聞いたことがある。舞子が倒れた時に手で運ぶようなやつじゃ無理だ。」

「トイ、そこはハレントの毛でどうにかなんじゃない?」

「確かにな。なら素早く逃げれて、魔物も倒せるやつ。そして、久兎みたいに転生者が来たとバレないようなやつ、か。」

私たち3人は該当しそうな人を頭を悩ませて考える。



ズズズズズ、ドーン!!


「・・・俺はどうですか?」

地面から現れたのはさっきの覗き魔。



「舞子、俺はいいと思うんだけど、どう?」

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