?3話 悲劇の白い魔物とNOT落ちこぼれ記者
ハレントは親友のチャンマロを失う。悲劇を体験した彼の前に現れた男の名はトイ。
トイに助けられたオイラは心を落ち着かせて、オイラの家の庭にチャンマロの墓を作った。
「チャンマロ、オイラたちがこの世界を何とかするからね。"アイツら"を懲らしめる。その時まで待っててね。」
オイラが住む世界とはまた別の世界があるらしい。その世界から来た人たちは転移者と呼ばれ、何か特殊な力があるらしい。
オイラが行動を共にしている覆面男のトイも転移者の一人ではあるがアイツは心からのいい奴だ。そんなトイは今オイラのそばで励ましてくれている。ホットコーヒーを飲ませてくれているが、味覚が違うのかとっても苦く感じる。
そして、今回あっちの世界に帰ろうとしているマイコも転移者。マイコの父親のことは知らないが見るからに悪そうな顔をしている。だが家族を殺そうとするような奴だとは思わなかった。
「ハレント、俺もマイコの父親にはちょっと借りがあってな。」
トイがさっき見つけた新聞を手に持っている。
「ハレント、さっきも言ったがお前に託すぞ。」
トイがそう言った途端オイラはチャンマロの墓の前で倒れた。土に顔が触れた瞬間から、記憶は飛んだ。
――――――
「ハレント、ハレント、起きろ!」
心臓が少し痛むが、何もなかったのだろうか。さっきのは何だったんだ。
「ハレント、あっちの世界に行ってくれ。」
ここはオイラの家の中だ。ベッドに寝ているオイラからは見えないが、トイは地面に頭をつけてオイラにお願いしているようだ。
「お前が出会ったとされる男たちは多分ポータルを使って商売をしている奴らだ。そしてそいつらが雇っている殺し屋は依頼を絶対に遂行する。俺たちにはアイツは止められない。だからあっちの世界に逃げてくれ。」
「トイのお願いならしょうがないよ!あっちの世界に行ったら魔物が出るんでしょ!まあ任せろ!マイコのそばに近づく魔物は全員倒すからさ!」
「マイコ、手を握れ!!」
ベッドの下からマイコが飛び出す。
「何だマイコ!!」
マイコはオイラの手を強く握る。
「トイ、やっぱり嘘みたい。魔物倒せないわ、ハレントには。」
「やっぱりそうか。まあいいや、マンドラゴラとかじゃなければマイコが石を投げて倒せるからな。」
何の話かはわからないが、、、とにかくマンドラゴラじゃなければいいのか。




