表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/17

8話 落ちこぼれ記者と凄い怪物《エクセレントモンスター》

河川敷に謎の物体を追ってきた飯田庵佐。謎の物体の正体は果たしてなんなのか!?

 夜、ささやかな川の音を聞きながら人気がない大きな橋の近くの河川敷で茂っている草の中で好きな作品の世界にいるキャラに合う。字面だけ見れば凄い幸せなことだと錯覚してしまう。


好きな作品のキャラがマンドラゴラという事実を隠せばの話だが。


僕はただ謎の物体を必死に追っていただけでこんなヤバいことになるなんて思ってなかった!でもマンドラゴラがいると言うことは異世界があるってことでいいよね!


ただまだ大丈夫なはず、普通に生えてる邪魔な草と間違えて触っただけ。とにかく無闇に触れないように周辺の草だけ取ることにした。多分体が出たら僕が、、、考えないでおこ。


少しずつ丁寧に草を取っていく。30cmの1葉っぱが10枚付いており、体の部分を隠して顔は見えている。だがまだ眠っているのか顔は線みたいになっている。とりあえず写真に残しておくか。

パシャッ

記念に葉っぱを触ったけど、人間の力じゃ取れないくらい強くくっついているな。


それにしても人気の少ない場所だ。僕は川の近くで草を取っているから正面の大きな橋がよく見えるが、誰も通っていない。


ガサガサ


「んっ?」

何か物音がする?草をかき分ける音が左側の草むらから聞こえる。もしかして僕が探していた謎の物体なのか。マンドラゴラという謎の生物に気を取られていたせいで少し霞んでいたが、元は謎の物体を明らかにするために僕は飛び出てきた。なら優先度は謎の物体の方が、

「ワン!!!」

シュババババ   ポチャチャチャチャ シュババババ


おそらく犬と思われる生物が僕の目の前を通り過ぎていき、川を渡って反対の道へ移った。


力強い走りは僕の目線と同時にとんでもないものを奪って行った。


「あれ、マンドラゴラの草一枚無くなってない?」


多分犬が通り過ぎる時にマンドラゴラの草をもぎ取ったのだろう。非常に元気でわんぱくな犬だなあ、あんなに強くくっついていた葉っぱを噛みちぎるなんて。他にもいっぱい葉っぱを取っていって!マンドラゴラの手が出てもおかしくないぞ!僕はマンドラゴラの方を少し見てみる。


「本当に手が出てる!!!」

さっきの噛みつきで体が抜けたのか小さな右手が地面から姿を現している。ちょっと細いなあ、栄養足りてないのかな?


待って、マンドラゴラの体が出た。その事実はとてつもなくヤバい。何か食べて落ち着きたいけど、周りには草しかない。パクチーでさえ無理な僕が雑草は言うまでもなく食えない。

ビュンッッッッ


この音、僕が追っていた音に違いない。


「あと7分もしたら多分叫び出すよ!!」

空の方から声が聞こえる。甲高い声だ。でも聞こえた直前に空を見上げたのに姿が見えない。

ビュンッッッッ


「オイラのこと追ってたでしょ?」

背後の草が大きく揺れている。優しく背中を撫でてほしいのに草は僕の背中をムチのように叩きつけている。


「背中をむかないで聞いてくれよ。このマンドラゴラ、オイラのせいなんだよね。」



「えっっっっ!!!」

「背中を向くなと言っただろうが!」

マンドラゴラと追っていた物が関係していたことを聞いて背中を向くななんて僕には出来ない!


「か、か、か、可愛い!!!!!」

僕より15cmほど低い身長で切れ長な瞳で僕を上目で睨んでくる。口も小さくて、 すごい華奢だな。人型ではあるが、多分兎と白鳥の混合種なのか?ごぼうくらい足が細いけど、折れないのかな?でも白い羽、白い毛、オイラ、本当にキャラクターみたいな特徴だなあ。と言うか異世界あること確定したんじゃ!アツい!


「おい!早くしないとマンドラゴラが!!」

そうだ!早くしないと、、、ってさっきこの子自分のせいでマンドラゴラがって言ってたな。




「なんだ!急に落ち着くんじゃねえ!オイラも急いでんだよ!」


 僕は時計を見て大体6分あることを確認して話をすることにした。結局この子が倒してくれるでしょ!


「そんな落ち着いて怖い!もうオイラ話すよ!こっちの世界に来るまでの話を!」

「どぞ。」

―――――――

オイラはあっちの世界の住人だったんだ。まあこの際そこはどうでもいい。重要なのはこっちの世界に来るまでのことだからな!


まず説明するとこっちの世界に来るためにはポータルを通る必要がある。オイラはこっちで言う異世界?出身だから異世界に行くためにポータルが必要かはわからないが、少なくとも異世界から帰るためにはポータルを通る必要がある。


そしてあっマンドラゴラ動き出した!

―――――――

「えっ!!!」



ビギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!


「痛い!また!!」

マンドラゴラの狂気の悲鳴が上がる。今度は正面の草が僕の顔を掠めている。普通に痛い!パクチー嫌いって言ったからかな?



・・・あれ、なんでこの子は平気そうな顔をしているんだ、、、もしや特殊な力か?!

「いや普通に範囲狭いから、こっち来て。」




あれ、目の前が、暗い、やば、い。


マンドラゴラです。あとちょっとで章終わると思います!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ