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6話 落ちこぼれ記者とやっぱりヤバい男《モストデンジャーマン》

飯田庵佐は謎の男、白松嶺士と出会う。過去に太輪新聞に勤めていた白松だが今は変な雑誌の記者に。そんな彼を呼んだ小山先輩の意図とは。そして、庵佐は異世界と失踪のコラムを書くことにする。

 「ッ、ハハハ!!!笑わせんな、異世界と失踪事件が関係ある?んな訳ないだろ。」

出会ったばかりにも関わらず白松さんは口の中を大胆に見せながら笑う。

「庵佐がここまで元気を出しながら新聞に力を入れるなんて、、、ア゛ア゛ア゛!!!!!」

今度はマスターが静かな店内に似合わないほど泣き出した。テーブルとカウンターの距離はそこまで遠くないのに、空気感が全く違う。

「すまん、俺はどっちの立場に立てばいいの?」

小山先輩がとてつもないキョトン顔で戸惑っている。

「まあ、週刊ラッキーラバーズなんてよくわからない人に馬鹿にされてる僕の方を味方した方がいいんじゃないですか?」

僕が白松さんの方を見つめながらそういうと白松さんは僕の方に向かってきた。

「ガムテ借りるぞ。」

マスターにそう言うと、ガムテを手に僕の方に向かってくる。あれ、やばくない?


「はーい、暴れんな。」

「えっ!!!???」

目の前が真っ暗になり、何かに覆われている。そこまで固くない、ハンチング帽か?

「俺より髪の毛多いから5本くらいは許せ。」

ハンチング帽を顔につけるためにガムテで巻きつけられる。10周もする必要はないだろ!


「小山、ラッキーラバーズの事務所連れてくから来い。」

午後6時頃。僕は白松さんに誘拐された。小山先輩もする仕事があるはずなのに、誘拐に協力するなんて酷すぎる!


 ヘッドホンをされて僕は何もできないまま車に乗らされた。


乱暴にされすぎて忘れているがこれって失踪のコラムを書くことに関係あるのか?


「流石に耳はいいでしょ!!!」

僕は耳が聞こえないながらとりあえず声を出した。

カチャッ

耳を覆うヘッドホンがやっと取れた。何か有益なことを言ってくれるのだろうか?


「服がぶかぶかだけど、後ちょっとすれば太るよ。俺だってちょっとキツイし。じゃあ到着までダイエット方法考えときな。」

関係ないどころの話じゃないな。でもまあすぐで30だからな。



 ダイエット方法を考えているうちに車が止まった。どうやら着いたみたいだ。

ビリビリビリリ!!!

「いってーーー!!!!」

激痛と共に視界が明るくなる。耳も聞こえるようになった。


「髪は9本か、両手で収まってよかったな、飯田。」

運転していた小山さんが笑顔でこっちを向いてきた。この人も共犯なのか。


僕はとりあえず周囲を見渡す。大量のビルが立ち並んでいる。おそらく駐車場に停めていて、すぐそばを車が出ていくのが見える。そしてすぐ近くにある大きな建物を見上げる。


「ここ、太輪新聞じゃないですか!?」

見覚えしかない。僕の職場のビルじゃないか。でもここにはラッキーラバーズなんて表記なかったぞ?


「そっちじゃねえよ、飯田君。君も、疑問に思ったことあるだろ。こんなビルが並んでるのに、一つだけボロボロの場所があること。」


確かに覚えている。こんなに高いビルが並んでいるのに、それを見上げるように立っているボロボロの建物が。

「よし、行こうか。」

そう言うとまた僕を強引に連れていく。太輪新聞から出ていく人に白い目で見られるのが心にくる。


「本当にただの一軒家じゃないですか?!」

目の前に立つとより一軒家感が際立つ。


白松さんは鍵がかかっていないことを確認して僕に扉を開けさせようとする。


「ほら、入れ。」

いやもう扉と言いこれ一軒家だな。僕が扉を開こうとすると、扉が開いた。


「では、これで。」


扉を開いて出てきたのは、僕の部署の部長、木嶋さんだった。


でもなぜここに?そう思い小山先輩の方を向く。

「すいません、私はたまたまここにいただけです。」

さっきまでのおちゃらけた顔とは違い、いつもの固い表情に戻った。

「おお、小山。お前は、今のままならラッキーラバーズなんかに行くわけない。だが、、、まあいい。」


少しの沈黙だが異様な力で釘を刺しているように思う。


「木嶋さん、、、お疲れ様です!」

異様な雰囲気に似合わない笑顔で白松さんが木嶋部長に話しかける。


太輪新聞とラッキーラバーズ、何の関係があるんだ?

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