その1
「あっ、ご、ごめんなさい! ありがとうございます!」
学園の小径、目の前で落ちたハンカチを拾ったノエルが落とし主に渡す。
ピンクブロンドに水色の瞳の美しい少女だ。
「あの、私は男爵家のマリア・ルストです。お名前を教えていただけますか」
「ノエル・グレイシアだ。今日は視察に」
「まあ! 役員の方ですか。大変失礼致しました」
微妙にしなを作りもじもじしている。
「あのう、宜しければお礼にサロンでお茶を」
「グレイシア様、こちらでしたか!」
学長がばたばたと走ってくる。チッという微かな舌打ちをノエルは聞き逃さなかった。
「ああきみ、ルスト君。失礼はしてないだろうね。こちらはグレイシア伯爵家の嫡男、ノエル様だぞ」
瞬間、スンと音がしそうに少女から全ての表情が抜け落ちる。
それは束の間ですぐに戻り「え! 伯爵家の、し、失礼致しました。そんな方にハンカチを拾わせるなんてっ」と慌ててみせる。
失礼しますとその場を去る後ろ姿を、しばしノエルは見つめていた。
「めっちゃおもしれー女だった」
「はあ」
兄に似合わないから一族内の俗語はやめてほしい、とカズサは願った。
学園の視察から戻るなり第一声がこれだ。いったい何の話に繋がるのだろうか。
「やたらとくねくねしていた。あれがカズサの言っていた最近の日本の都市伝説、あやかしか」
「いや違うし」
「性格に難があり大勢の男を侍らせないと気が済まない。高価な装飾品を不特定多数から貢がれ女生徒にはたいそう嫌われている」
「ねえちょっと待って、いつ調べたの」
「その場で影に頼んだ。私が伯爵令息だから食指が動かないらしい。貴族の常識は足りないな」
とても嫌な予感がカズサを身震いさせた。
フッと笑うと爆弾を落とす兄。
「娶るぞ」
「なんでそう趣味が悪いんだよ!!?」
ノエル・グレイシア・リュウ、この国では珍しい黒髪に、黒に近いダークブルーの瞳の見目麗しい青年だ。二十五歳と適齢期の彼には婚約者がいない。
「ゴブリンのように生き汚くオークの如き貪欲さ。敵を蹴落とすに躊躇なく卑怯な手を厭わない。そして阿呆ではなく本性を隠せる。ここまでの逸材はなかなかいない」
「ねえ兄さん、妻に何を求めてんの。討伐対象を語ってるように聞こえるんだけど」
「私の興味を引けるかどうかだな」
「異性的魅力でなく珍獣的興味……?」
「私が伯爵家と知ったときに見せた、一瞬の無表情。あれは良い。ソウジュもトゥーランドット姫だと喜んでいた」
兄弟のなかでも奔放と言われるカズサだが、いざという時の兄ノエルのぶっ飛び具合には敵わない。
そんな女が義姉に、グレイシアの当主夫人となるかもしれない悪夢。トゥーランドットってマジか。かぐや姫の冷酷版だろ。男殺しまくる女じゃん。
そもそも乙女ゲームのヒロイン気取りだよな、攻略しまくってんだもん。
ソウジュも趣味悪いんだ……と兄の守護獣である龍を恨めしく思う。
彼が反対すればさすがに兄でもとどまるのだ。
グレイシア家は直系のみが異世界の霊獣を名に戴き守護とする。王国の法も及ばない一家の嫡男。
次男カズサ・グレイシア・ヴォルフにはニホンオオカミ、三男アレスター・グレイシア・フォックスには九尾の狐の精霊が憑いている。一頭だけで国落としは容易だ。
面倒くさいから誰もやらない。興味のない事には徹底して無関心な一家なので、王家としては安心している。いや、もっともこの長兄は───、と思考を飛ばしかけ、当面の問題に目を向けた。
「それでどうすんの。見合いにでも持ってく?」
「まずは釣書を送ろう」
鏡を眺めてうっとりする。
今日も私は可愛い! さすがヒロイン。この真っすぐさらさらなピンクブロンドも垂れ目気味のアクアマリンの瞳も、鈴を鳴らすような声もとっても素敵。
背は高いから小動物みが薄れて残念だけど、胸はあるしウエストは締まっていてこれぞ男の夢見る美少女。
治癒魔法と補助魔法持ち優等生。詰め込みすぎだわね。
ここは私が知る乙女ゲームの世界。私や攻略対象のビジュアル、名前からしてそれだもの。
第一王子も宰相子息も騎士団長子息も最速で落とした。次の侯爵令息は勉強に励んでみせる必要があるのよね。幸い、逆ざまあされるヒドインとは違い頭の出来もいい。
話術も最初から全肯定はだめ。「でもそれって」と軽い否定を入れるの。出来のいい兄弟に対するコンプレックスなら、事実は仕方ないでしょうと切ってみせる。
ムッとさせればこっちの勝ちよ。冷静でない人間は操りやすい。
ヒドインはやり方が下手なのよ。清楚さと無邪気のバランス大事。胸を押し付けるのはあくまで事故的な場合のみ。
例えばそうね、王子がテストで一番だった時に喜びのあまり抱きついてしまうの。
「きゃ、ご、ごめんなさい。はしたなかったです……」
そうしてすぐ離れれば柔らかい記憶はより深く刻まれる。
キャバクラバイトで鍛えた技よ。高嶺の花でいて、たまに手中にできそうな錯覚を抱かせる。天女のように時々羽衣の裾を触らせて夢を見せてあげる。
女子大生だからえっちなのはダメ……、で乗り切ったわ。客層のいい高級店を選んだからね。
退屈させない話題の広さも売りにしてた。政治やスポーツは知識だけあるが意見は持たず。どこの政党、球団が好きなどは言わないで、客の贔屓するものを自然に「さしすせそ」する。
さすがですね、知らなかった! すごい。そうなんですね!
新聞や雑誌も欠かさず購読し、話題の本やアニメまで網羅した。英語も話せるし模型造りも得意よ。料理? 言うまでもなし。
主義は「相手の好きなことに偏見は持たない」。お偉いさんが美少女アニメ好きでも別にいいじゃない。知らない知識が増えるのはありがたいわ。
いつどこで役立つとも限らないし。
人に言えないことも私には言える、このアドバンテージは絶大で私はずっとNo.1だった。
彼女は覚えていない。前世で就活のためキャバクラを引退宣言した折り、マジ惚れした客に心中の道連れで刺され死んだのを。
「それにしてもあの人、美形だったわ」
ノエルを思い出し惜しいなと思う。今は伯爵家まで関わる余裕がないし、第一、彼は生徒ではないから狙う機会が限られる。
先に侯爵令息と大商人の息子を攻略しないと。
「ゲームには出てこないのよね、続編の追加攻略対象かしら、それとも漫画化する際のオリキャラ?」
グレイシアの名だけは知っていた。
渡りビト───、転移した日本人が興したというグレイシア家。
脇役にはあり得ない特殊な設定だ。
渡りビトの妻となったのは美しい公爵令嬢だったという。
東洋と西洋の巡り合わせは、時として絶妙な美を産み出す。初代の血を彷彿とさせるノエルの容姿には、王子らと異なる深みがあった。
二十五と少し年上だけど守備範囲。日本の血が入っているせいか、マリアからすればどこか親しみが持てる。
商人息子の次に狙ってみようか。本命はまだ決めていない。王子妃なんて大変だしやっぱり商人が良いかな。堅苦しくないし、ビジネスもやってみたい。
「ノエル様って結婚されてないのよね」
「!!」
学園の休み時間である。
何の気なしに彼の名を出した途端、友人の顔色が変わった。数少ないが彼女の女友達だ。頭の良い論理的思考の女性は好ましい。
「ま、マリア…あの一族には関わらない方がいいわ」
「?」
「近寄らないでね。あなたの為よ、お願い」
グレイシアを調べようと決めたが、表立った情報はあまり無い。まるで記録に残すのを慎重に避けているようだ。
人に聞けば恐ろしいものを見る目が向けられ、まともな答えも返らない。王子でさえそれなのだ。
ふと、付き合いがあるのは伯爵家以上の高位貴族ばかりだと気づき下位貴族子息にも尋ねてみた。
彼らはそこまでの過剰反応はないが、詳しく知る者もいない。
こういう時はどうするか。マリアは大胆にも、一家の誰かに訊こうと決心した。
違う学園に通う次男カズサ・グレイシアに。
「突然失礼致します。あなたがカズサ様でしょうか」
見れば分かるだろうと当てずっぽうで訪ねたが当たりを引いた。噂が本当なら、一番目立つ美形に突撃すればいい。
話に聞いた通り金髪金眼の絶世とも言える美少年だ。二十二との記載を見かけた気がするが、せいぜい十五、六歳だろう。
マリアの好みからは外れるが、眼福だった。
名前が完全に日本人だけど、見かけは外人だわ。
「……誰?」
「私、マリア・ルストと申します。グレイシア家についてお聞きしたく、図々しくもお声を掛けさせて戴きました。それで───、えっ、何?」
続けようとしたマリアの周囲を飛び回る何かがいた。
「??」
「あっこらハヤテ」
「参ったな……、ハヤテまで趣味悪か」
「あの、なんでしょうかこれ。金色の光の粒子が飛んで見えるのですが」
「視えるの?」
「はあ」
改めて向き直るとカズサが逆に尋ねてくる。
「何故グレイシアを知りたい?」
「みんなが口を開かないからです。そうすると気になってしまいますよね」
「好奇心は虎をも殺す、って言うよね」
「……猫では? 九つの魂を持つという猫すら、との戒めの意が」
これは日本の諺だと言ってから気づく。
カズサが浮かべた綺麗な微笑みに、マリアは一瞬見惚れた。
「そっか、君は転生者なんだね」
「──なんの事でしょうか」
「ごまかさなくていいよ。度胸もあり顕現してない守護獣が少し視える。性格はアレだけど、兄上なら扱えるだろう」
「……だから、なんですか」
「覚えたよマリア・ルスト。またね」
ひらりと手を振るとカズサは去っていく。
「結局、何も聞けなかった……」
「マリア、マリア!! あなたに釣書が届いたのよっ、伯爵家から!」
週末に帰宅すれば、大騒ぎする母に迎えられた。
ルストは男爵家だ。宮廷貴族のため領地もない。母が喜ぶのも仕方ないが、伯爵程度では満足できない。
「どちらからですか」
「グレイシア伯爵家の、しかも嫡男様ですって!」
「……ノエル・グレイシア?」
「大陸中に跨る大商会を営むお家よ。色んな一流店を王都に展開していると聞くわ! 領地も広大で、特産は馬や絹織物。化粧品も開発していて素晴らしいものばかり。とにかく国を何個も買える程の大富豪なのよ」
大商会と聞いて心が揺れる。
「何かの間違いでは」
「この贈り物を見てそう言えて?」
目録を見れば、婚姻時に貰うような豪華なプレゼントの数々。
「……私の目がおかしいのかしら。目録に別荘があるのだけど」
「ちゃんとあるわ。凄いわね……、ケビンのエトワール学園への推薦状まで! 見てマリア、全部伯爵家持ちで通えるんですって!」
おかしい。脈は全然なかったのだ。マリアの経験にかけて言える。
なのに札束で殴られるような求婚はむしろ怖い。別荘や高価過ぎるものは断ろう。
タダほど高いものはない。
求婚に伴う異変はすぐ起こった。
「ま、マリア……婚約おめでとう。寂しいけれど君の幸せを祈るよ」
「は???」
「──本当に残念だが、おめでとう」
週末明けに顔を合わせるや否や、苦渋の表情で口々に祝いを述べて去る攻略対象たち。マリアはぽかんと呆けてしまう。待って私婚約してない。打診が一件あっただけで───。
「……打診だけで、殿下を引き下がらせられるの?」
だとすればグレイシアは、伯爵家という見かけ通りの貴族ではない。
今までの攻略の苦労が全て徒労に終わり、マリアは唇を噛み締めた。
散々考え、放課後にマリアは特許申請局へと向かった。
特許一覧は閲覧可能。発想の被りがないか確認できるのだ。
狙っていた商人子息も侯爵令息も、もう絶対に靡かないと確信できる。グレイシアが自分を婚約者に望んだからだ。無知な両親は素直に喜ぶばかりで話にならない。
器量良しの自慢の娘が、上位貴族に目をつけられ妾や後妻にされることなく伯爵夫人になれる。自分のための喜びであると分かるからこそ、何も言えない。転生者ではあるが、今の両親にはちゃんと愛情を持っているし弟だって可愛い。
頭の良い弟が、マリアが通う学園より優秀なところに無償で行ける。とても喜ばしいのだが婚約ですらなく申し込みだけでこの扱いは怖い。
何を企んでこうなるのか。胸を踊らせるどころか、不気味でしかない。なんにせよ向こうの思い通りになんかさせるものか。
やり場のない怒りにかられる。少しでもあの家の尻尾を掴んでやりたかった。
「あれも、これも───。予想通り、有用なものは全てグレイシアか。いくら稼いでるやら」
閲覧室にこもり、次々にページをめくる。異世界の知識で初代が特許を取りまくったというマリアの考えは、半分だけ当たっていた。
「でも、最近のが多い。何故かしら……、これなんか私も覚えがある」
異世界の最新知識を入手する方法がある? だとすれば反則だわ。
だが、彼らのおかげで生活は快適なのだ。上下水道の普及、食の充実。元日本人として譲れないラインはクリアしている。昔のフランスのように道端に汚物を撒き散らすようなこともない。
「随分と熱心だ」
話しかけられたかどうかが曖昧で、顔を上げず見続けた。
「残り10ページは全てうちのものだ」
「!!」
恐る恐る声の方を見やれば、斜め後ろの机で書き付けをするノエルの姿があった。
「な、なんでここに」
「それはこちらが聞きたい。私は申請に来たが君は?」
「私は──特許を確認していただけです」
目的? あんたの家に仕返しできるネタを探してるだけですが何か?
人の楽しみをよくも奪ってくれたわね!
笑顔で悪意をコーティングしつつ無難に返すマリアは、そもそもの発端を忘れていた。
「ところで、婚約の件だが」
フガッ、と動揺のあまり豚の鳴き声に似た音を出してしまう。
「……グレイシア伯爵子息様、別に私に好意もないですよね? 何故申し入れを」
「貴族らしからぬ考えだ」
あーもうイライラする! 誰がこれを素敵とか吐かしたのよ! 私かよ!!
「ルストと縁を結んでそちらに何の利益があると?」
何故かむかつきが抑えられず、被った猫が剥がれていくが構うものか。
「むろん君自身だが?」
「へ?」
「私は君を望み、君を得る。それが一番の利益だと言っている」
好きでもないが利益ではある? だから利益って何よ。婚約の申し入れとしては喜んでいいのか悲しむべきか。マリアの顔からスンっと表情が剥がれ落ちる。
「ああ、いいな。その顔はとてもいい」
「ソウデスカ」
「話し方もいい。身分差など知るかとばかりの塩対応。新鮮だね」
「ソレハナニヨリ」
「おもしれー女だ」
「………は?」
それあたしがキライなやつーー!!
フツーに褒めてよ!
一方その頃、カズサは友人と屋台の食べ歩きをしていた。
「なあなあ、王族に忖度しまくる用に設立した学園あるじゃん。難易度低めの」
串焼きより焼き鳥がいいな。一杯飲み屋、もといヤキトリショットバー作るか。
「言い方」
「そこで第一王子や高位貴族をたらし込んでた悪女が義姉になりそうな件について」
「マジか」
「マジマジ。まあ兄上ならうまく操縦できるだろう」
「ノエル様の趣味、変わってんな」
「同意せざるを得ない」
オークやゴブリンに喩えた女を娶る。理解できない思考である。
「それよりオスカー、また振られたんだな」
「違う! 声もかけてないのになんで振られたことになるんだ……」
「でもいいなと思ったんだろ。俺も恋してみたいよ。いや、ノエル兄上のあれが恋愛ならいらないな……次は何食おうか」
弟は人見知りで縁遠い性格だし、幻のような初恋を追い続けている。自分は結婚する気になるか不明だ。ならやはり兄上に頑張って貰おう。
「マリア!! 舞踏会の招待状と、ドレスも送られてきたわっ。早く開けて!」
最近、家に帰るのが怖い。とはいえ学園にいても男子生徒には遠ざけられ知らない女子には興味本位に話しかけられる。
婚約を確定事項として。
「私まだ了承は」
「まさか断るの!? マリア、よく考えて。こんないい話は他にないわ。何が不満?」
いい話を全てソイツに潰されたのだけど! こんなホラーの序章みたいな婚約話じゃないやつ!
「まあまあまあ、なんて素敵な……!」
開けちゃったの!? 未開封で返すつもりなのに!
「母様、勝手に───」
覗き込んでマリアは息を呑む。
黒に近い深い深い青は、ノエルの目の色。背の高いマリアに合う、体の線に沿った一見シンプルなドレスは黒地に細やかなレースが重ねられている。膝から裾にかけ広がるマーメイドスタイルだ。
手に取ればそのレースが青と翠に輝いて複雑な光を生み出した。実際に着れば動く度に違った煌めきを見せるのだろう。
「……綺麗。だけど光り具合がなんだか何かに似てる───」
「これはグレイシアンレースだわ───、王族だって纏えないのよ、一族でも着られるのは僅かだと聞くわ」
装飾品はなかった、良かった。と安心していたら。
「ノエル・グレイシア様のご用命で参りました」
なんと有名宝飾店を差し向けてきた。挨拶もそこそこに並べられるのは、見るからに一流細工師の手によるアクセサリーの数々。
カードを渡され読んでみれば「君の楽しみを奪った詫びに。普段使いの品とドレスに合うひと揃いを贈りたい。母君にも何か選んで差し上げてくれ。」
楽しみとは乙女ゲームの攻略か。
マリアの髪や瞳に合わせた宝石が散りばめられた、ややカジュアル寄りのものが十数点。母に合う品々はその半分くらいだ。どれも甲乙つけ難い素晴らしさ。
数セットのパリュールは黒瑪瑙や黒曜石に、ダイヤやサファイアがあしらわれている。
母とふたり、真剣に見入ってしまった。母は最初こそ辞退していたが、宝石商の鮮やかな口上に頷かされた。
「お決まりでしょうか」
「私はこの髪飾りにするわ」
もうヤケだ。
「お目が高い。それはブルーダイヤです」
やっぱりかあ。そうだと思ったわ。
「じゃ、私はこちらを」
母はブレスレットを選ぶ。
「これら全て、ノエル・グレイシア伯爵令息様から贈られお二人の所有となっています。ご心配でしょうし当店にて保管させていただきますが宜しいですか。お使いになる際はお届け致します」
「え! じゃ何故選んでたの」
宝石商はニッコリと笑う。
「選ぶのは楽しかったろう? との伝言が」
悔しいがその通りだ。なんか底なし沼にはまってくみたいで怖いのよ!! このままなし崩しに結婚するの私!?




