7 胃袋をつかめ!
薄力粉、砂糖、無塩バター、牛乳を混ぜ冷蔵庫で30分寝かす。
生地を伸ばして型抜きし180度予熱したオープンで15分焼きクッキー完成だ。
(今回は抜き型が無かったので四角く切っただけにした)
ジャムはこっちの世界にあるとの事で作らなくて良くなった。
玄米をフライパンで炒り緑茶に入れる。
レイリ・ナミ・シオに玄米茶を淹れる。
(向こうで大道寺のおっさんが気に入って、毎日飲んでいたのが玄米茶だこっちには無いらしい)
「召し上がれ、クッキーはちょっとジャム乗っけても良いぞ」
一口食べた3人は一瞬固まった。
「おいしい!!!」
「はぁーおいしい!!!」
「おいしいーーーー!」
お茶を飲み唖然としている。
「だっ、だっ旦那様の妻はこんな幸せを毎日のように頂けるのでしょうか?あっ妻は私ですけど❤️」
「兄様!こっ、コレは何でしょう!私が作ってしまったようですが信じられません!私どうかしちゃったんでしょうか?」
「兄様おいしいー、うまうまー!」
「うん、初めての割にかなり良い!ナミはなかなか筋が良いかもしれないな」
「恥ずかしいです・・・もぅ兄様やめて下さい!」
ナミの顔が真っ赤だ。
「まず胃袋つかもう作戦だ!」
「?、何ですの?」
「稽古が終わるのは?」
「3時」
「そう!おやつの時間です。コレとこの玄米茶を時々ナミに持って来てもらいます、でお茶して行きます」
「おーーーー!」
「なるほどーーー!」
「シオも作るぅー!」
「でも兄様、何で毎日じゃ無くて時々なの?」
「うん、そうだね、良い所に気がついたね!時々の方が今日はあるかな?ってドキドキ感があるでしょ?」
「兄様の作戦はとても深いです!素晴らしい策士です!」
後日、注文作成依頼をしたバウンドケーキの型と、クッキーの色々な抜き型が来た。抜き型は鳩の形も入れておいた。
型も来たのでいよいよパウンドケーキの作り方を教えた。
コレに胡桃を入れたり、オレンジママレードの皮を入れたりしてもおいしいと教えといた。
「兄様、コレは入れる組み合わせは無限ですね!素晴らしいです!!」
ナミはスイーツ作りに非凡な才能を開花させた!
そのあとはシオも才能を開花させた!
後にこのパウンドケーキは姫ケーキと呼ばれ相模国の名品となる。
荒木将軍はと言うと、ガッチリ胃袋を掴まれてしまったらしい。
その数ヶ月後、荒木将軍とナミの婚約が発表された。
俺は兄様と呼ばれナミ・シオに慕われ尊敬されている。
二人の姫は俺が更に渡した膨大な向こうのレシピを毎日研究し、新商品のテストと開発の仕事で忙しいらしい。昔と違い日々、充実しているらしい。
「ほんと兄様が来る前の私は、何やってたんだろうと思いますわ。叱りたいです」
ナミとシオのレシピは小田原の久野の工場で再現され輸出される。
コレが凄い好評で作る側から売れて行く。
情報が流れないように、風魔一族と百足衆に見まわってもらっている。
国王は一生懸命に働く2人の姫を見るのが、とても嬉しいらしくノブオに何度もお礼を言う。
最近はニコニコしている事が多い。
「ところでノブオ殿、昇山してみては如何か?不二国には連絡しておくが、我が国の吉田口から進んで欲しい」
(ん?吉田口って富士山か?」
「富士山に昇山し天帝様に天命を聞いて欲しい」
「分かりました」
(よくわからないけど・・・)