6 授業と訓練始まりました
「午前中は9時から11時30まで座学になります」
秘書兼嫁のレイリが部屋まで案内してくれる。
座学は宰相の山中智が請け負ってくれていた。
宰相に教わるなどかなり贅沢だが確かに最適かもしれない。
講義をボイスレコーダーで録音しながらメモを取って行くスタイルで受講する。
夜はA Iで文字起こしをして、聴きそびれ・メモ取り忘れが無いか復習し、Excelで資料をまとめて行く。ノブオはWordは使わない、Excel派だ。
軽く昼を食べ1時から3時までは射撃と戦闘訓練だ。
射撃訓練には何故かナミ姫が参加していた。周りの困惑顔から強引に参加しているのであろう。
戦闘の教官は将軍の荒木善、かなり若い!しかも俺より2つ歳下の23歳だ。
ナミ姫が赤い顔をして荒木将軍を見ている。
(ははぁ、コイツがナミ姫のお熱になってる相手か)
レイリに聞いたところ荒木将軍は才能もあるが、勤勉で非常に努力家らしい。
それはそうだろう、その若さで将軍だからね。
講義で荒木が色々と説明をするのだかナミ姫が割り込み授業にならない。
嗜めるが効かない。
さすがに見かねて隣の個室にナミ姫を呼ぶ。
「何よ!あんたに関係ないでしょ!」
「あるから言っています!」
ナミはまさか言い返いされるとは思って無かったらしく驚いている。
「いい?この授業は税金が使われているんだよ。1分1秒無駄に出来ないんだよ。血税を使った時間を関係ないとは大した思い上がりです。その行為は王族としてマイナス行為になります!」
「何よ!お父様に言いつけてやる!」
「じゃあ今すぐここで言って下さい!王を呼んで!大至急お願いね!」
ナミが唖然としている。
国王が来た。話は聞いてきたのであろう、苦い顔をしている。ナミも下を向いて居る。
「はっきり言わしてもらうと、甘やかし過ぎです。王族という特別な権力にはとても厳しい責任がある、国王様も分かって居るはずです」
「すまない、娘可愛さにどうしても甘やかしがしまう」
「アタシだって分かっているわよ・・・」
「だったらお父様に言い付けるとか言わない!権力をそこで使った時点でダメでなのです!」
しゅんとして下を向いている。
「ナミ」
「何よ」
「荒木将軍の嫁になりたいのなら、アレはやめなさい!そのかわり俺が全力で応援協力します」
ナミは真っ赤になり下を向いている。
「なっ!何言ってるの!」
「全力で協力するぞ!」
「・・・ほんとうに?協力してくれるの?」
「あたり前だろ?ナミは妹みたいなもんだしな」
「おっ・・・お願いします・・・兄様」
俺はナミの頭を撫でる。
「よし!まず荒木将軍に謝ろう」
「えっ!恥ずかしい・・・嫌っ」
「ナミ、悪い事したと思っているだろう?だった謝ろう一緒に謝るから」
「・・・・わかったわよ」
半泣き顔だ・・・
隣の部屋に行き荒木将軍の前に立ち、授業の邪魔をした事を謝罪した。
優しいナミは俺が心配で付いて来てくれて、張り切り過ぎてしまった、大変申し訳ない。
荒木将軍は2人の王族から頭を下げられ恐縮していたが、ナミを見る目は優しくなった。
よし、掴みはオッケーだ!
稽古が終わったあと、屋敷内の小キッチンにナミを呼び出した。
シオも付いてきた。
ナミとシオを椅子を持って来て座らせた。
「さてナミは荒木将軍の何を知って居るのかな?」
「えーっと青色が好きみたい?よく青い服着て居るから」
「では好きな食べ物は?」
「しっかりした体つきだからお肉だと思う」
「何肉?」
「牛じゃないかな?」
「はーい、ほぼ全て不正解!」
「えぇーーーー!」
「好きな色は白、もしくは淡い色。好きな食べ物は甘いお菓子。ちなみお酒は飲みません」
「そうなの!?」
「好きな人を落とす事は戦と同じです。まず相手を知るのです!そうすると攻略法が見えて来ます」
「のっ、ノブオ兄様ご教授下さい!」
「もちろんです、なのでナミはこれから白とか淡い色の服を着るように!」
「はいっ!兄様!」
「あと甘い物ですが、この国はクッキーやケーキが無いという事なので作り方を教えます。材料は全て売ってました。ジャムも作って下さい」
「私か作るんですの?できますでしょうか?」
「手作りで攻めます。「手作り」 これは素晴らしい武器なのです!ナミにも絶対作れます!作らせて見せます!」
「はい!兄様!」
「わーい!」
シオも喜んでいる。
よぉーし!ノリノリになってきた!