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2 ノブオおっさんを拾う

「もしもーーし!どうしましたか〜」

おっさんをゆする。

仕立ての良い着物らしく指触りが良い。

ハタッとおっさんが目を覚まし起き上がり周りを見る。


「・・・ここは?異世界か?」

おっさんの言ってる意味がわからない。

「はぁ?」

「相模国か?」

「神奈川県です」

「異世界のようだ」

納得したらしい?


「お主名前は?」

「宝城ノブオ」

「ほうじょう!」

「あの北条じゃ無い宝の城と書くほうじょうです」

「宝城ノブオ様」

「ノブオでお願いします」

「ではノブオ殿とお呼びします」


「で、そちらは?」

「相模国、陰陽頭・大道寺有恒(だいどうじありつね)ともうす」

「大道寺さんですね」

「ノブオ殿、有恒と呼び捨て下され」

「いや、そういう訳には・・・」

「宝城の名のお方に無礼は許されんからの」

訳もわからずなんか押し切られた。


とりあえず腹が減っていると言うので、ペットボトルのお茶とあんぱんをあげた。


「ノブオ殿!? こっ、これはうまいですの!パンに餡とは我が国では考えも付かなかったですな」

「嬉しいですね。それは市内でも名店の品なんですよ。食べながらで良いので大道寺さんが来た理由など説明してもらえますか?あとその脇差はちょっとまずいので、見えないようにこの図面ケースに入れといて下さい」


おっさんの話によると・・・

向こうの世界の日本は7つの国に分かれているらしい。

何と俺の大好きな北海道は無い!

あの愛らしいジンギスカン羊キャラクターが居ないのかと思うと、ショックで寝込みそうだ。


ざっくり言うと・・・

東北と長野は奥州国。

山梨県と関東圏は相模国。

静岡県から名古屋にかかるぐらいを不二国。

その下から滋賀・大阪・京都・奈良・岐阜辺りを畿内国。

その下から山口までを山陽国。

四国は1つで四国。

九州は南州国。

日本と言う国も無く言葉も無いとの事だ。

王族の国王・国母(こくぼ)・王子・姫が居て、陰陽頭が文武官の頂点、文官はトップは宰相で武官はトップは将軍。


何か色々混ざっている感じだ。こっちで言う貴族にあたる一族も居たが、600年前に神社仏閣と共に権力争いで自滅したそうだ。


で、7つの国は天下覇権を狙う為に日々、戦に明け暮れて・・・は無いらしい。


国内同士でそんな事やってる暇が無い。

外国から辛国(しんこく)と欧州連合国が、各国にちょっかいを出して来ているのでその防戦に結構忙しいとの事。


で、大道寺のおっさんは何しに来たかと言うと、先日相模国の跡取り(しょう)王子と(みなみ)国母が暗殺されたのだ。

残るは国王と姫2人となり男の跡取りが無く血が絶えそうな状況になっている。


600年前に異世界に駆け落ちした王族の子孫を捜して連れて帰り、一の姫と婚姻させ次の王にし、子をバンバン作り王族を増やそう。と言う計画らしい。


「なんと男子が見つかって良かった!これでひとまず安心安心!」

「は!?、オレですか???」

「ノブオ殿でごさいます」

「何故?」

「宝城の名とその顔立ちこそ、我が王家の者でごさいます」

おっさんがキラキラ目でオレをみる。


とりあえずおっさんを落ち着かせ家に連れて帰った。

(また、つまらぬものを拾ってしまった・・・)


家に着くとおっさんに風呂に入ってもらい、ビールとつまみにちくわと冷奴とだし巻き卵を用意する。


風呂から出て俺の予備の作務衣を着たおっさんには、先にいっぱいやってもらうように言い俺も風呂に入った。


ゆっくり浸かって出て来たが、おっさんは箸もつけていない。

(義理がたい人だなぁ)

黙って対面の席に着き、一緒に飲み始めた。


おっさんから、各国の特産や状況などを色々聞く。

なかなか面白く夜遅くまで話を聞いてしまった。

これから毎日面白い話しが聞けそうだ!











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