トリニティの冒険譚~失われた聖杯を求めて~
「目の前のクエストをクリアするのが、俺たちの仕事だろ?」
剣士アルベルトが鋭く瞳を光らせ、仲間のロベルトとトーマを見回した。彼らは『トリニティ』と呼ばれる冒険者パーティーで、剣士・魔法使い・僧侶という王道の組み合わせだ。今回の依頼は、王国の聖遺物『光の聖杯』を盗賊団から奪還すること。報酬は莫大だが、敵は強敵揃いだ。
「……まぁ、いいだろう。これも運命だ。」
魔法使いロベルトが静かに呟き、ローブの下で魔導書を広げた。彼の冷静な判断力と強力な攻撃魔法は、どんな困難も乗り越える鍵となる。
「みんなが無事ならそれでいいんです。」
僧侶トーマが微笑みながら神聖な光を手に灯した。彼の回復魔法があれば、どんな傷も癒される。
一行は王国西部に広がる《ファズナの森》へと足を踏み入れた。そこには盗賊団のアジトがあり、聖杯が隠されているという情報がある。
「奴ら、手強いぞ……!」
アルベルトが前方を指し示す。森の中に潜む盗賊たちが、すでにこちらに気づいている。
「問題ない……ファイアボール!」
ロベルトの詠唱と同時に炎球が放たれ、敵の前衛を吹き飛ばす。アルベルトが突撃し、残った敵を一刀のもとに斬り伏せた。
「《セイクリッド・バリア》!」
トーマが光の障壁を展開し、敵の矢を防ぐ。見事な連携で敵陣を突破し、ついに聖杯が隠された神殿跡へとたどり着いた。
だが、そこには思わぬ罠が仕掛けられていた。
「魔力が……乱れている……!」
ロベルトが異変に気づくと同時に、巨大なゴーレムが目を覚ました。
「ハハハッ、来やがったな!」
盗賊団の首領が高笑いする。「この《ゴーレムスーツ》はな、城をも砕く力を持っているんだぜ!」
「ならば、それを超える力を見せるだけだ!」
アルベルトが剣を構え、ロベルトとトーマが背後で支援する。
ロベルトの《ライトニング・スピア》がゴーレムの装甲を貫き、トーマの《ディバイン・ブレス》が仲間の力を高める。そしてアルベルトの《聖剣連斬》が炸裂し、ついにゴーレムは膝をついた。
「聖杯は……俺たちがいただくぜ!」
こうして『光の聖杯』は無事に王国へと戻され、トリニティはまた新たな冒険へと旅立つのだった。
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〈完〉