閑話【打ち上げられた鯨】
秘密を知った時の反応は様々
四人を連れて行ったジェスター5世とキングでぶ妖精。
一時間が経過した頃に流石に待ちくたびれて来た一同。
「ラッパ様、 一体真実とは何でしょうね」
パイがラッパに話題を振る。
「どうせ大した事無い話だろう」
「何故そう思うのですか?」
「王とは言えでぶ妖精でも知っている秘密だ
でぶ妖精なんて悪ふざけみたいな生き物、 生き物?
が知って居る秘密なんて大した事無いだろう
そもそも秘密を教えられて記憶できるのか? でぶ妖精は?」
「昔、 私が子供の頃にでぶ妖精のおやつを食べて未だに根に持たれています」
「食べ物の事なら兎も角・・・あ、 帰って来・・・た?」
帰って来たのはヒューグル、 ダイヤ、 ブリッスル
そしてジェスター5世とキングでぶ妖精だけだった。
ヒューグルは髪がボロボロになっていた。
ダイヤも明らかに焦燥している。
ブリッスルは変わらずにいる。
「あの・・・父は如何しましたか?」
コウ家の長男、 イタチ・サメ・コウは尤もな質問を訪ねた。
「シロナは余に暴行を働こうとした、 故に捕縛した」
「なっ!?」
「シロナは大公位から降りて貰おう、 次の大公はイタチ、 お前だ
コウ家の家長として責務を全うしろ」
「ま、 待って下さい!! 突然過ぎて何が何だか・・・
秘密とは一体何なのですか!!」
「教える事は出来ない・・・シロナの様になる可能性もあるからな」
「そんな!! 父と話をさせて下さい!!」
「機密保持の為に拒否する」
「くっ・・・ならば私はコウ家の家長として王家の要請を拒否する!!」
イタチの宣言に騒めく一同。
「それでも貴族か!?」
「いや、 親を説明も無しに捕まれば」
「王に暴行を振おうとしたのならば妥当だ!!」
「しかし!!」「だが!!」「王は我々にも説明をするべきだ!!」
貴族達が騒めき始める。
「喝ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ブリッスルが杖をカンッと地面に突き立てて叫ぶ。
「皆・・・落ち着くのじゃ・・・陛下
イタチ君の言葉・・・あんまり聴き取れなかったが
父親が捕まった事に対して怒っているのじゃろう・・・」
「しかし話が進まないのは困る」
「だがイタチ君の怒りも尤もじゃ・・・しかしこうして騒いでも仕方ない・・・
そこで提案だが・・・ここは一旦解散して
各家で家族会議をしようじゃないかの」
「ふむ、 それではそうしようか、 解散!!」
貴族達はそれぞれ納得が行かない様子だったが各々部屋から出て行った。
