閑話【到着】
お城の傍には馬車を止める駐車スペースが沢山有る
王の居城であるおでぶ城に辿り着くショウ家一行。
「ショウ家御一行御入来です!!」
おでぶ城の衛兵が叫ぶ。
「・・・・・やけに多いな」
ショウ家以外にもコウ家、 ミ家、 ソク家。
更に大公家の分家達も集まっていた。
「これはこれは御当主様!!」
ショウ家の分家筋達が集まりヒューグルに媚びを売ろうとする。
「離れなさい、 邪魔です」
「こ、 これは失礼しました!!」
一斉に分家筋達が離れる。
「クラリー? 居るかしら?」
「はいクララお姉さま」
ショウ家の分家のクララの実家に当たるネット公爵家の
現当主でクララの妹のクラリー・ネットが前に出る。
「何でこんなに大勢の人達がいるのかしら?」
「それが私達も王家から呼び出されて何も分かりません・・・」
「そう・・・」
「いやいや!! これはこれはショウ家の皆様じゃないですか!!」
ずんずんとダイヤが分家筋の人垣を割って入って来る。
「ダイヤ殿・・・先日は息子がお世話になりましたな」
「ははは、 いやいや我が娘、 いやもう娘ではありませんな
あれが大変ご迷惑をお掛けして御子息共々申し訳御座いません」
頭を下げるダイヤ。
「その御詫びと言っては何ですが我が娘のパイは如何でしょうか?」
「如何でしょうか? 如何でしょうかとは何ですか?」
苛立たしく尋ねるラッパ。
「婚約者に如何ですかと言う事ですよ」
「不愉快ですねダイヤ殿」
「ラッパ!! 失礼だろう!!」
「そうよラッパちゃん!!」
ぷぃと首を逸らし、 さっさと城に向かうラッパ。
「やれやれ・・・如何やら怒らせてしまった様ですな」
「いえいえ、 こちらも長女を頂けるのならば願っても無い事です」
「ラッパちゃんには後で言って聞かせますので御話を進めて貰っても良いでしょうか?」
「ええ、 勿論です、 パイはモルガナよりも優秀な娘ですので・・・」
にこにこしながら話を続ける両家の当主だった。
「・・・・・」
その光景を苛立たし気に見てさっさと城に向かうラッパだった。
「ラッパ様、 この度は御愁傷様でしたわ・・・その傷の痛み
私が癒して差し上げますわ」
「こら、 抜け駆けは許さないわよ」
ラッパが一人で歩いていると何処かの貴族の子女が寄って来た。
「申し訳無いがモルガナよりも君達は無価値だ、 何処かに行ってくれ」
「それは侮辱ですわ、 あんな娘よりも」
「あんな娘? 殴り飛ばすぞ?」
本気の威嚇の眼をすると子女は去って行った。