閑話【呑み】
バー【ホワイトでぶー】
一番の人気メニューは餅茶漬け
ラッパはジェスター特別区の最高級バー【ホワイトでぶー】で不機嫌になっていた。
「ラッパ様、 本日は妹の代わりに私が代理でやって来ました」
「・・・・・そうですか」
モルガナの代わりにパイがやって来たのだ。
何度も有る事だ、 モルガナは五女、 それ故に低く見られ
こうして姉妹が代わりに来る事が多々有る。
「それでは軽く呑んだら解散としましょう」
「まぁラッパ様、 それでは流石に悪いですしお付き合いますよ」
お前が嫌なんだよ、 と口にはしない
顔にも出さない、 しかし確実に不機嫌になっていた。
「とりあえずマスター、 お酒頂けます? おススメを下さい」
「はいにょー」
ちゃかちゃかとでぶ妖精のバーテンダーがシェイカーを振る。
「お待たせしました、 おでぶテキーラです」
「にょー♪」
でぶ妖精がカクテルグラスに入ってテキーラが注がれている。
意味が有るのかと問われればアルコール分が好きなでぶ妖精を選別し
一緒にシェイカーで混ぜてテキーラのアルコール分を吸収させている為
普通のテキーラよりも飲みやすいのである。
パイはでぶ妖精を取り除いて煽った。
「ふぅ・・・妹の様などうしようもない奴よりも
私の様な女性を婚約者にした方が良いと思いますが・・・如何でしょうか?」
「御言葉ですが私は彼女を愛していますので」
「御冗談を」
「・・・・・」
ラッパはモルガナに惚れているのだが冗談扱いされる。
実際モルガナを雑に扱っているので冗談扱いは仕方ない事だろう。
「しかしモルガナは近々放逐されるか死刑になるでしょうし
今の内に」
「待った、 どういう事ですか?」
「実はモルガナが本日の成人の儀の最中、 スキルを貰った途端に
父上を殴り倒しまして」
「!?」
ラッパが立ち上がる。
「失礼します」
「あ、 ラッパ様、 御待ちになって下さい、 何方へ?」
「モルガナの所です」
「そんな、 貴方がそんな事をしなくても」
「未来の妻を心配しない男が何処に居ますか!!」
そう叫んでラッパは外に出て行て行こうとした。
「お客さん、 お支払いー」
「ちょ、 退け!!」
もにゅーんと大きなでぶ妖精がドアを塞いだ。
ラッパは無視して進もうとしたがもにゅもにゅして進めない。
仕方なくラッパは金を支払って外に出るのだった。
「まいどー」
間の抜けたでぶ妖精の声がラッパの背に響く。
