第63話【ナニトゾー】
ナニトゾーの語源はでぶ妖精が何処からか聞いた物を流用していると言うのが支配的な説である
Odevu verseの片隅のジェスター特別区の教会にて
集まるソク家、 ミ家、 コウ家の三家とでぶ妖精達。
でぶ妖精は頭に黒頭巾を被っている。
でぶ妖精の祭司の正装である、 でぶ妖精にも宗教が有る。
二大信仰対象やさしいオッサンとやさしい兄ちゃんである。
何方もでぶ妖精に沢山食べ物をあげた存在で遥か昔から信仰されている。
とは言えこの教会で進行されているのはジェスター教国での神である。
「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」
「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」
「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」
「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」「ナニトゾー、 ナニトゾー」
でぶ妖精達の祝詞が教会を包む。
意味は全く無い。
そして今日成人を迎える三人が前に出る。
「やぁ~と成人かぁ・・・」
手入れがされていない髪を掻くコウ家の次男、 コケ・ビラメ・コウ
本来ならば一昨年成人だったが本人含めてずっと忘れていた為、 本日成人となった。
影が薄いが彼の手刀はコウ家の至宝とも言われる。
「・・・・・」
背が小さいが成人しているミ家の長女、 スイカ・ズラ・ミが
直立不動で前に出る。
「はぁ・・・」
ソク家の五女、 モルガナ・イト・ソクが軽く溜息を吐く。
少し下がった所で三家の付き添いの家族が雑談をする。
「いやはや愚息の事をついつい忘れていましたよ、 ははは」
コウ家当主シロナ・ガス・コウが口髭を撫でながら笑った。
「はぁ・・・・・? すみません・・・耳が遠くて・・・
もう一度言って貰えますかのぉ・・・?」
ミ家当主、 ブリッスル・コーン・ミが杖を突きながらぶるぶると震えていた。
「いやはやこの度は御二方と一緒に成人の儀を迎えられる事を嬉しく思いますよ
ははは・・・」
ソク家当主、 ダイヤ・モンド・ソクがおべっかを使っている。
「はぁ・・・・・すみません、 耳が遠くて・・・」
「・・・・・」
ビキビキとしながらも成人の儀は進んだ。