第46話【Fucking guy】
糞野郎、土下座する
「君は知っているか知らないがイチジクの顔には勇者からの誘いが有ったんだ!!」
土下座しながら叫ぶ支部長。
「だからって殺す事は無いじゃないですか!! 何を考えているんですか!!」
ロダンは叫ぶ。
「いや、 だって誘いをかけていたのは完璧主義で知られるジェスター教国の勇者ソロ!!
五人パーティだったら断られるかもしれないじゃないか!!」
「五人パーティだったら何が駄目なんですか!!」
「縁起が悪い!!」
「そんな理由で人を殺すな!!」
激昂するロダン。
「まぁまぁロダン、 落ち着きなさい」
花子はロダンを制する。
「花子!! 君は殺されかけたんだよ!?」
「だから怒ってもどうにもならないじゃない、 ねぇ支部長」
「本当にすまないと思う!! だが我が支部から勇者への参加者が出るかもしれないんだ!!
如何か頼む!! 山田達の将来の事を思って引いてくれ!!」
「私を殺そうとした奴等の将来もそれを黙ってくれと言う組織も
如何なっても良いんですがね、 私は」
「それを何とか!! 頼む!!」
「貴方に頼まれてもねぇ・・・」
「くっ・・・如何しても駄目か!?」
「ではお金を支払って下さい」
「な、 何!? 金だと!?」
「えぇ、 こっちも貴方達に謝られても仕方ないのでね
それなり金で解決しようじゃないですか」
「い、 幾ら払えと・・・」
「1億」
「なっ!?」
「人を殺して1億で済むのならば破格では無いですか?」
「そ、 そんな金・・・」
「ギルドの維持費やら何やらが本部から届いて居る筈、 それを貰いましょうか」
「お、 横領じゃないか!! もしも本部にバレたら!!」
「貴方のやっている規約違反の隠蔽も本部にバレたら偉い事になりますね
何、 ギルドマスターが身内に甘いのは知っている筈、 バレても大事にはならないでしょう」
「・・・・・」
支部長は金庫から白金のインゴットを出した。
花子はそれを鑑定する。
「ふむ、 品質は充分、 金庫を見るとかなり有りますね
1億は吹っかけ過ぎかなと思いましたがもっと吹っかければ良かったですかね」
「っ・・・私の努力の結晶なんだぞ・・・
ここまでため込むのに一体何年かかったと・・・」
「縁故で努力はしていなかったでしょう」
「っ」
歯軋りする支部長。
「あとそれからギルドから脱退させて貰います」
そう言って懐からギルドの会員証を取り出し握り潰した。
「好きにしろ・・・」
支部長は吐き捨てた。
「それからもう一つ、 この腐れ外道が」
花子はそう言って支部長の部屋を出た、 ロダンも後に続いた。