第43話【Strike gold】
素晴らしい者を見つけた
「・・・・・」
「・・・・・」
罠を解除する花子の後ろを付いて行くロダン。
「・・・所でさ」
花子が沈黙を破った。
「君、 私が怪我して二分と経たない内に来てたよね?
幾ら何でも早過ぎない?」
「え、 急いでたけど十分はかかっていた筈ですが・・・」
「でも私回復魔法をかけられていたわよ?」
「あぁ、 回復魔法はかけていました」
「???」
首を傾げる花子。
「えーっと・・・来てなかったわよね」
「来てませんでしたね、 でも回復魔法はかけていました」
「どういう事?」
「さっき知ったんですが、 僕って回復魔法をかなり遠くから使える様です
回復魔法自体がむしゃらで使えたんですけどね」
「「は?」」
デッドと花子の声がシンクロする。
ロダンのスキル【Martyris】には治癒魔法を強化する効果がある。
そしてこれはデッドも知らなかったのだが治癒魔法の射程距離も強化され
遠くに居る者を治癒する事が出来るのだ。
「・・・・・君は眼に見えない所からも治癒魔法が使えるって事?」
「そうですね」
「・・・・・」
花子は震えていた。
「君、 相当凄い治癒魔法使い、 いや司教、 聖人クラス・・・!!
君ってジョブスキルは何!?」
「うわ・・・」
急に来た花子に吃驚するロダン。
「え、 えと・・・【Martyris】・・・」
「何それ、 聞いた事が無いスキル・・・ユニークスキル?
いや・・・」
考える花子。
「あの・・・花子?」
「・・・ロダン、 もし良かったら私と組む気はない?」
「え? えぇ?」
「これはチャンスじゃないか、 彼女程の腕前を持つ奴は中々居ない」
「で、 でもいきなりだし・・・」
「お前の治癒魔法のスキルの高さを買ってくれたって事じゃ無いか」
「そ、 そうなのかな・・・」
「俺から見てもあんなに射程距離の長い治癒魔法は無かったし」
「う、 うーん・・・」
「お願い、 私はもう君以外とはパーティを組めそうに無い」
悲しげに俯く花子。
「・・・さっき、 君と何人か擦れ違ったって言ってたじゃない」
「え、 あ、 うん、 それが」
「・・・・・実を言うとそいつらは私のパーティメンバーだったのよ」
「そうだったんだ・・・」
「そいつ等は私を裏切ったのよ!!」
突如叫ぶ花子。
「え、 えぇ、 ど、 どういう事ですか?」
「順を追って話すわ」