第38話【Dazzling】
輝かしき太陽
騎士と出会ってから階段を上り上に上がり続けるロダン。
獣の姿もまばらで回避は容易であった。
「しかしでぶ妖精が多いな」
「にょー、 ここは住みやすいからにょー」
「どーぶつたちにぽーん、 される事も有るけど食べ物は豊富だし
地面も歩きやすいにょー」
「・・・・・」
ロダンは少し考えるそぶりを見せた。
「ねぇデッド、 ちょっと可笑しくない?」
「何がだ?」
「さっきの騎士は門番で『来る奴を片っ端から斬り伏せている』と言った
それなのに何であの騎士が居る階より下に動物が居たの?」
「・・・あの騎士が後から門番をやっていたんじゃねぇのか?
動物達が各階にやって来てからあそこに来て門番をやっているって言う」
「にょー? お兄ちゃん如何したにょー?」
でぶ妖精が集まって来た。
「・・・いや、 大丈夫だ」
「この先は危ないにょー、 なんか行った人は全然帰って来ないにょー」
「いや、 外に出るから大丈夫だよ」
「そーなにょー気を付けてにょー」
でぶ妖精に別れを告げて階段を歩み始めるロダン。
そしてついに・・・
「なんだか、 雰囲気が違うな」
「恐らく最上階、 つまり地上一階だな」
「・・・長かったなぁ・・・」
「そうだな、 もうだいぶ経ったなぁ・・・」
「じゃあお外に出ようか!!」
そう言って前に出るロダン、 次第に強い光が見える。
「うっ・・・」
眉を顰めるロダン。
そして前に出てダンジョンの外に出る。
「うわぁ・・・」
ダンジョンの外は綺麗な森を見渡す山の上だった。
そして太陽が輝く。
「太陽か・・・記憶が無いのに痛烈に思い出せるよ・・・眩しい」
「直接見るなよ、 あぶなっかしい・・・」
ロダンは深呼吸をする。
「いいなぁ・・・これが世界か」
「さて、 感動している暇は無いぞ、 これから如何する?」
「如何するって・・・うーん」
とりあえずダンジョンに向き直るロダン。
ダンジョンには【深いだけの穴】と書かれている。
「深いだけの穴・・・これがこのダンジョンの名前かな?」
「まぁ、 お前以外特に重要な物は何も無かったからな
ただ深いだけの穴と言える」
「でぶ妖精にとっては住み心地は良いみたいだけど?」
「穴よりかはマシだろう、 じゃあロダン、 繰り返しになるがこれから如何する?」
「命が沢山有る場所は見つけた、 多分そこが街だと思う、 とりあえずそこに行こうかな」