第30話【DeadEnd】
さぁ外に出よう
「天使さん・・・」
「ロダン・・・」
天使は槍を持った。
「その目・・・とうとう成ったのね」
「天使さんはこれが狙いだったの? 僕がデッドに協力してくれって頼むのを」
「そうね、 デッドは本当は自分で何とかしたくてしょうがなかった
でもデッドは自分からでは何も出来ない、 だから君の様な代行者が必要なの
それが第一の狙い」
「第一の狙い?」
「第二の狙いは誰かに頼る事を貴方に知って欲しかった」
「誰かに・・・頼る事?」
「最後の授業よ、 ここから出たら仲間を作りなさい
貴方一人で世界を救う事なんて出来ないのだから」
「分かった・・・」
「じゃあ行くわよ」
翼を広げて空を飛んで飛び掛かるロダンを回避する天使。
槍でロダンを貫こうとするがロダンも回避する。
「・・・DeadEnd」
ロダンは剣で天使を斬る。
「・・・・・・・」
ぐらり、 と天使が倒れ込む。
天使をすかさず受け止めるロダン。
「それが・・・即死魔法?」
「そうみたい・・・」
「剣で斬らないといけないの?」
「だって何もしないで相手を一方的に殺せるのはおかしいじゃないか」
「変な所で律儀なのね・・・」
天使が徐々に消えていく。
「天使さん・・・」
「大丈夫、 全然痛くないから」
にこりとする天使。
「ほら、 坊や、 泣いちゃ駄目でしょ」
そう言ってロダンの頬を伝う涙を拭う天使。
「天使さん・・・僕・・・」
「大丈夫、 君はしっかり前を見てやりたい事をやれば良い・・・」
どんどん消えていく天使。
「何で君が選ばれたのか分かったよ」
「え?」
「君は誰よりも・・・」
そこまで言って天使は完全に消えた。
「う・・・ひぐっ・・・」
泣くロダン。
ガコン、 と後ろで音がする。
ロダンが振り向くとそこには四角い穴が出来ていた。
ここからの出口なのだろうか。
「・・・・・」
「出ねぇの?」
デッドがロダンを見る。
「デッド・・・君は一体何なんだ?」
「おっと、 そいつは教えないぜぇ、 安心しな
この戦いが終わるまでは傍に居てやるからよ、 まぁちょっと席を外す事は有るかもしれないが」
「・・・・・」
すっと立ち上がるロダン。
部屋の中に向かう。
「おい、 何を・・・」
「せめてお墓位は作らせて」
「・・・好きにしな、 弔いが必要ならすれば良いさ」
デッドはロダンの行動を見守るのだった。
