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Re:incarnation  作者: Mr.後困る
Chapter1:Retreat
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第29話

ロダンは門の前に立っていた。


我を過ぐれば憂ひの都あり

我を過ぐれば永遠の苦患あり

我を過ぐれば滅亡の民あり


義は尊きわが造り主を動かし

聖なる威力 比類なき智慧

第一の愛 我を造れり


永遠の物のほか物として我よりさきに

造られしはなし しかしてわれ永遠に立つ

汝等ここに入るもの一切の望みを棄てよ


門にはそう書かれていた。


「ここは?」

「ここは何処でも無い」

「貴方は」

「誰でもない」

「この扉の向こうは?」

「何だろうね」

「・・・・・」


ロダンは思案した、 暫くの時間の後に


「帰らなくちゃいけない」

「何故?」

「人々を救いたいんだ」

「何故?」

「人々を救いたいからだ」

「だから何故?」

「・・・・・」


何で自分は人を助けたいんだろうか、 その理由を考えた。


「泣いている誰かを助けたいから」

「何故?」

「分からない、 でも助けたいんだ」

「そうか」

「だから僕は帰らなくちゃいけない、 行かなくちゃいけない」

「そうか」

「何処から帰れるの?」

「分からない」


ロダンは門を見た。


「・・・・・ここは違うな」

「何故そう思う?」

「『汝等ここに入るもの一切の望みを棄てよ』

僕には人を助けたいと言う望みが有る

だからここには入らない」

「なるほど、 では如何する?」

「・・・・・誰でも無い人」

「人ですら無い」

「そう、 では良かったら僕がここから出るのを手伝って

人を助けるのを手伝う存在になって貰えないだろうか?」

「お前が助けたい人と言うのは?」

「苦しんでいる人達」

「人々を救済する物、 それが私と言う事か」

「そうだよ」

「そうか」


ロダンは自分の体の感覚が戻るのを感じる


「待って、 君の名前は」

「私は」




Re:incarnation

第29話【Death】




ロダンは目が覚めた。


「今のは・・・夢?」

「夢じゃねぇよ」


デッドが笑う。


「デッド・・・・・」

「如何だ? 気分は?」

「・・・・・」


ロダンは震えた。


「何を感じる?」

「命を」

「そうか」

「・・・何だろう・・・この感覚・・・世界がまるで・・・」


ロダンは生命を感じた。

全ての命が、 救うべき命が何処に居るのかがはっきり分かる様になった。

もうここに居る意味は無い、 ダンジョンの外に出よう。


ロダンはスキル【行脚】を習得した。

ロダンは魔法【DeadEnd】を習得した。

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