第26話【Hero】
職業じゃなくて称号だと思う
「そもそも天使さん、 勇者って何?」
「何? って如何言う事?」
「いや剣士とか魔法使いは剣や魔法を使うんだなって分かるよ
でも勇者って何? 勇気って誰でも持ってない?」
「勇者はオールラウンダーだね、 剣も魔法も使える感じ」
「魔法剣士とかとは違うの?」
「・・・・・・・デッドー」
「はいはい」
デッドが説明に加わる。
「勇者って言うのは色々出来る様なスキルなんだよな
同じ一口で勇者って言っても剣を使ったり、 魔法中心だったり
色々な武器を使ったりとか本人の意志で便利に伸ばせるスキル
汎用性の高さが売りのスキルだな、 あと純粋に強くなる」
「ふぅん、 説明を聞くとパッとしない気がするけど」
「まぁ強くなるスキルと考えれば良いよ」
「どの位?」
「勇者のパーティは国毎で囲っていたりする位には強い
国毎で国中の勇者が偶に集まって会議するんだ」
「ふぅん・・・でも勇者が沢山居るのに魔王一人も倒せないんだね」
「この間も言ったけど魔王はアンデッドとかを使っていて兵隊を幾らでも造りだせる状況だ
魔王自体もかなり用心深い、 何か奥の手とか隠していても俺は驚かん、 気を抜くなよ」
「うん・・・」
ロダンの頭をくしゃくしゃと撫でるデッド。
「兎も角、 お前は自分に出来る事を考えて頑張れば良いんだよ」
「頭ボサボサになるから止めて」
「おっと、 失礼」
ケラケラと笑うデッド。
「しかし勇者かぁ・・・どんなんなんだろ」
「おや、 覚え」
そこまで言って口を閉ざすデッド。
「うん? 何?」
「ん、 んん、 いや何でもない、 忘れてくれ」
「そう? じゃあ良いけど」
「・・・・・勇気と言えば退くのも勇気って言うよな」
「まずここから出られないと始まらないから、 退く事も出来ない状況だけどね」
「つまりスタートラインと言う事か、 うんうん」
「早く出発したいなぁ・・・」
しょんぼりするロダン。
「さっきの焼き直しになるがお前は自分に出来る事を考えて頑張れば良いんだよ」
「うん、 頑張る」
「頑張れ」
ロダンの頭を撫でようとするデッド。
「おっと、 そうはいかない」
俊敏にデッドのなでなでを回避するロダン。
「学習しているな・・・だが!!」
回避した先で天使になでなでされるロダン。
「天使さんのなでなではくしゃくしゃにならないから好き」
「照れる」
「・・・・・うん」