第24話【Heal a wound】
何も間違っていない筈だがそうじゃない
「・・・・・」
勉強が終わったので剣の稽古をするかと思えば
何故か自分の手に剣を当てているロダン。
「リストカットするつもり、 じゃ、 なさそうだな、 何をしているんだ?」
デッドが尋ねる。
「とりあえず剣だけじゃ駄目かなって思って」
「ふむ、 何でそう思ったんだ?」
「さっきの勉強でギルドとかの話をしたじゃない」
「そうだな」
「そこで仲間の話が出た、 けどここには僕しか居ない」
「・・・・・それで?」
「だから僕が沢山の役割を果たせば良い」
「そうか、 それでお前の今の行動と何の関係が有る?」
「魔法の練習をしようかと」
「それは良いと思う、 けど何で自分の手を傷つけるんだ?」
「僕は回復魔法が得意らしいじゃない
だから回復魔法の練習の為にまず怪我しないと駄目じゃないか
それで自分の体を傷つけているんだ」
「なるほどな、 じゃあやって見ろ」
「うん」
自分の体に傷をつけたロダン。
魔法を使おうと試みるも使い方が分からず四苦八苦である。
「治れ!! なーおーれー」
「・・・・・」
デッドはその様子を見ている。
「うーん・・・ヒール、 とかって魔法の名前言った方が良いのかな?」
「いや、 俺に聞かれても分かんねぇよ」
「そうだよねぇ・・・とりあえず痛いし包帯でも巻こう」
そう言って救急箱から包帯を取り出して巻くロダン。
「・・・・・」
巻いた包帯をまじまじと見るロダン、 そして包帯が発光する。
「おっ!?」
「!!」
包帯を外すロダン、 するとそこには傷一つ無い腕が有った。
「やった!! 成功した!!」
「ちょっと待て、 色々何か可笑しい、 魔法の意味有るのか」
「はっ!! ちょっと待って・・・」
そう言うと薬草を軟膏状にした物を出すロダン。
そして傷をまた自身に着けて軟膏を塗る。
すると軟膏が輝き傷が消え去った。
「おぉ!! やっぱり治療行為をする事で魔法が発動出来る様になってる!!」
「なんだろう、 何かもやもやする、 もやもやするぞ」
デッドは納得が行っていないがロダンは魔法が使えるようになった。
「で、 ロダン、 これって意味有るのか?」
「回復出来るじゃない」
「いや、 天使と戦っている時に悠長に包帯を巻いたり軟膏を塗ったりさせて貰えるのか?」
「・・・・・実際にやってみないと分からないよ」
「それもそうか・・・」