閑話【山田達、仕事をする】
一方その頃、三馬鹿達は
勇者パーティ【レストラン・スリム】の依頼で集められた山田、 福島、 京子の三人は
応募があった他の参加者と共に馬車で移動していた。
参加者の数は大体100名程であった。
「剣聖の俺が何でこんなゴロツキと一緒くたに・・・」
「まぁ仕方ないだろ・・・これで今月は生活出来る・・・」
「久しぶりにお風呂入りたいわぁ・・・」
そんな事を言いながら目的地の魔王の拠点に辿り着く一行。
如何やら廃屋敷の様だ。
「はーい、 参加者の皆さんは充分な距離を取ってこの屋敷を取り囲んで下さーい
屋敷から逃げて来た奴を袋叩きにしちゃって下さいねー」
勇者側で雇った指揮官の指示で屋敷を取り囲む一行。
「屋敷から逃げた奴って・・・勇者が攻め込むのか?」
「勇者は何処だ?」
騒めき始める一行。
「お、 おい!! 見ろよアレ!! バカでかいでぶ妖精が空を飛んでるぜ!!」
「何言ってんだコイツ・・・ん!?」
集まった者の一人が空を指差すとそこには確かに巨大なでぶ妖精が空を飛んでいる。
否、 でぶ妖精では無い、 でぶ妖精に似せて作った巨大な気球である。
【レストラン・スリム】一行が乗る巨大気球『エアフォースでぶ』である。
エアフォースでぶが廃屋敷の真上に来ると、 エアフォースでぶから大量の油や爆薬が投下される。
瞬く間に廃屋敷は炎上する。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!」
「があああああああああああああああああああああああああああ!!」
廃屋敷のアンデッド達の叫び声が聞こえる、 炎はアンデッドに対して特攻であるので
正に地獄の業火で焼かれる状態である。
当然ながら逃げようとするアンデッドも出て来るが周囲を取り囲んでいるゴロツキ達に
袋叩きにされてしまう。
「・・・・・・・これが戦いかよ・・・」
山田が呟いた。
「・・・レストラン・スリムのリーダーは公爵様らしいからな
こうやって大金を使って楽に戦う事が出来るんだよ」
「でもよぉ・・・こんなの戦いじゃねぇよ・・・」
「文句言うな山田、 俺達の食い扶持の為にも頑張るしかねぇ・・・」
「しかし・・・」
「こっちにもアンデット来たよ」
京子が二人に声をかける。
そして燃え上がりながらよろめくアンデットを三人でボコボコにするのだった。
