第147話【enthusiasm】
意気込みをどうぞ!!
「さぁ!! カレーの街恒例武道大会!!
遂に、 遂に決勝戦です!!
優勝賞品は賢者の石と100万G分の要求は果たしてどうなるのでしょうか!!」
ゾラがリング上に立って実況を始める。
リング上には既にロダンとポンセーがスタンバイしている。
「今回は大波乱の展開になりました、 まさかの優勝四連覇のフィールズと
フィールズ最大のライバルのハンスを倒し、 決勝に上がって来たのは
今大会初出場の二人!! ロダン選手とポンセー選手です!!
決勝戦を始める前に両者に意気込みを聞いて見ましょう!!
まずはポンセー選手!! 副賞の100万G分の要求は何に使いますか!?」
「うむ!! 100万G分の100万Gを貰うぞ!!」
「そ、 そうですか・・・意外に堅実なんですね・・・」
「うむ!! 100万G分の食べ物を要求しようかと思ったが
流石に腐りそうだからな!! お金は腐らないからお金を貰うぞ!!」
「100万G分の香辛料とか如何でしょうか?」
「はっは!! 私は細かい事は良く分からないしお金を貰うぞ!!」
「そ、 そうですか・・・ではロダンさん
ロダンさんは副賞の100万G分の要求は何に使いますか?」
「自由に好き勝手にこの街の人達を治せる権利が欲しいです」
「駄目です」
「何故!?」
「それは100万Gでは収まりません」
「う・・・そうだったのか・・・じゃあ100万Gで馬車と馬を買おうかなぁ・・・
自家用馬車が有れば便利そうだし・・・」
「ちょっと待ちたまえ、 100万Gでは馬車と馬を買うのは厳しいぞ」
ポンセーがアドバイスをする。
「そうなんですか?」
「馬車の値段は知らないが100万Gでは良い馬は買えないぞ」
「うー・・・じゃあ如何しよう・・・」
「お金にしては如何だろうか!!」
「お金ですか?」
「うむ貯金をして将来に備えるのは良いと思うぞ!!」
「そうですね・・・じゃあ僕もお金でお願いします」
「何とも夢の無い感じですが・・・
それでは私はそろそろリングを降りますね」
リングから降りて実況席に戻るゾラ。
「それではカレーの街恒例武道大会!!
決勝戦!! 優勝賞品は賢者の石と100万G分の100万Gは
果たしてどちらの物になるのか!! いざ決勝戦開始です!!」
うわああああああああああああああああああああ!! と歓声が響いた。