第127話【1st round 1st match】
弱い者が負ける
第1試合ヘツブとハンスの試合が始まった!!
「優勝候補の一角!! ハンス選手VS今年初参戦ヘツブ選手!!
ハンス選手は普段は用心棒で生計を立てていますが
武道大会にも多数参加して好成績を収めています!!
対するヘツブ選手はとある屋敷に勤めているメイドさん!!
主を守る護身術は果たしてハンスに通用するのか!!」
「ふん、 丸腰のチビの娘に負ける訳無いだろ」
「はぁっ!!」
ヘツブの姿が消えてハンスの前に瞬間移動した!!
「はやっ」
「とぉ!!」
バツン!! と音が会場に鳴り響く。
ヘツブの正拳突きの音だった。
ヘツブの拳がハンスの腹に叩き込まれたのだ。
ハンスは棍棒を落した。
「おーっと!! ハンス選手まさかの一撃で!?」
「そんな訳無いだろ」
ゾラの実況に対して返答すると、 むんず、 とヘツブの頭を掴むハンス。
「な、 今のが効いて無いの!?」
「痛ぇけどよぉ、 所詮は女子供の拳、 この程度如何と言う事は無いわ」
ヘツブを運んでリングの外に出すハンス。
「ほら、 お前の負けだ」
「な・・・」
「勝者ハンス!!」
余りの一方的な展開に白ける会場。
「戦わずにリングアウトなんて・・・舐めてるの!?」
ヘツブが抗議する。
「いや、 だってお前弱いし、 普通に女子供打ん殴るのも寝覚めが悪い」
「こんの~~っ!!」
殴りかかろうとするヘツブ、 ハンスはひょい、 と避ける。
「ヘツブ選手は退場して下さい」
「待って!! こんなの可笑しい!! 何か仕込んでいるでしょ!!」
「何か仕込んでいるとしても大会のルール上何も問題は有りません」
「不正よ!! 不正!!」
尚も騒ぎ立てるヘツブだったが警備員に取り押さえられて会場の外に放り出されてしまった。
「何だったんだ、 アイツは・・・」
ハンスがリングから降りた。
「まぁ1回戦は普通に勝ってくれないと困るよ」
フィールズが不適に笑う。
「言ってろ」
ハンスがぼやいて去る。
「続きまして1回戦第2試合を行います
カリエ選手とナッツ選手は共にリングに上がって下さい」
「さて、 行きますか」
「カリエ、 気を付けてね」
カリエに声援を送るロダン、 カリエは笑ってサムズアップをする。
「・・・・・ん?」
相手のナッツは何やら準備をしている様だった。
準備が終わるとナッツはよろよろとリングに上がった。
重々しい重装備だった。