閑話【ギルドマスターの癇癪】
ソレイユは幼い、人との関りが薄い子なのだ
「納得いかなーい!!」
ソレイユがギルド本部の自室で癇癪を起していた。
「な、 何がですか?」
アキハルがソレイユに尋ねる。
「ドラッグ撲滅委員会だよ!!
あいつ等私に断りも無く越境して活動してるんだよ!?
しかも領主がドラッグの売人だったなんて大捕り物・・・
ギルドに話を通してから動いてくれないとこっちの手柄にならないじゃない!!
なんでギルドを通さないの!!」
怒っているソレイユ。
「あ、 あいつ等は復讐者ですから、 そういう名誉とかには拘り無いですよ」
「だったら私達ギルドに還元しようとは思わないの!?
あいつ等は本当にぃぃぃぃぃ」
ギギギギと歯軋りをするソレイユ。
「おやおや、 今日もご機嫌斜めですねソレイユ様」
「母上・・・」
タソガレがやって来た。
「タソガレ、 何の用?」
「先日の調査の結果を御報告にと思いまして」
「先日の調査? 何だっけ?」
「花子とロダンについてです」
「誰だっけそれ?」
「行方不明になったイチジクの顔の渦中の娘と助けたヒーラーです
調査の結果、 ターメリックの街に来ていた事が判明しました」
「何ですって!?」
身を乗り出すソレイユ。
「じゃ、 じゃあもしかして領主のなんとかって言うのを捕まえたのも・・・」
「彼等ですね、 もう一人誰かを連れていた様ですが・・・」
「凄いじゃない、 確か何かスキルもってたんだっけアキハル?」
「は、 はい?」
急に話を振られて困惑するアキハル。
「ほら、 領主が何か凄いスキル持ってたって」
「あ、 あぁ剣豪のスキル持ちでした」
「凄いじゃない、 剣豪のスキル持ちってそれなりにレアでしょ?」
「それだけでは御座いません、 ゾンビパウダーを使った魔法使いにも勝利したとの事」
「おぉ!! それは・・・凄いの?」
「剣豪のスキル持ちに勝利する事よりは凄いですね
かなりの腕が無ければ勝ち目はありません」
「へぇー・・・その子、 私の直属に欲しいな!!」
「えぇ、 こちらからスカウトに向かう所存です」
「わー、 楽しみだなぁ・・・」
にっこにこと笑うソレイユ。
「ふわぁ・・・なんだか眠くなっちゃった、 アキハル、 一緒にねよー」
「は、 はい分かりました・・・」
「それでは私はこれにて失礼します」
「うん、 頼んだよー」
タソガレは部屋から出て行った。