第110話【Preliminary】
いやお前の話を聞いて如何しろと
領主の所有物件からゾンビパウダーが発見されたという事で冒険者達は慌てて
近くの町のギルド支部まで早馬を走らせた。
ターメリックの街にギルド支部が無かったのだ。
「僕達はこの事をマドルドさんに問い詰めに行って来ます!!」
「分かった、 現場保全は我々に任せろ」
冒険者達に現場を任せてロダン達はマドルドの屋敷に向かった。
門番に制止されたが依頼を受けていた事もありマドルドの元に直ぐに辿り着けた。
「マドルドさん!! どういう事ですか!!」
「な、 何がだ」
執務室の椅子に座っていたマドルドが困惑している。
「貴方の倉庫からゾンビパウダーが発見されましたよ!!」
「!! そうか・・・見つかってしまったのか・・・」
マドルドはゆらりと立ち上がり壁に立てかけて在った剣を取った。
「中々に優秀だった、 と言う事か
まさかこんなに早く見つかるとは思いもしなかった・・・」
「一体如何してゾンビパウダーの売買に手を染めたんですか」
「ふっ、 それはだな」
「ソク家戦斧術二の形【針銀】!!」
「っ!!」
マドルドはモルガナの針銀を寸前で躱して剣でモルガナを切った!!
「ヒール!!」
モルガナの傷をロダンが治癒で治す。
「喋っている最中」
「ソク家戦斧術三の形【方鉛】!!」
足を狙うも飛び跳ねて回避される。
花子も短剣で攻撃を行うが剣に叩き落とされる。
「無駄だ、 こう見えても【剣豪】のスキルを持っている!! お前達如」
「ソク家戦斧術四の形【緑柱】!!」
緑柱は二本の小さい斧を持っての二斧流の攻撃だが手刀で再現する。
狙いは剣!! 武器破壊である!!
剣に手刀が直撃し剣とモルガナが手が破壊される!!
「くっ・・・」
「ヒール!!」
モルガナのダメージはロダンが治癒で治す。
完璧な作戦である。
「まだだ・・・こんな所で捕まる訳には」
花子がワイヤー付きナイフを投げてマドルドをワイヤーで拘束する。
「なっ」
マドルドは縛られて床に倒れる。
「良し、 今の内にもっと縛ろう」
「離せぇ!! 私にはここで捕まってはいけない理由が有るんだ!!」
「いや知らんよ、 そんな事」
「そうですよ!! ゾンビパウダーを売るなんて・・・
どんな理由が有っても許せません!!」
「おのれぇ!! 私は貧しい人達を救わねばならないのだぁ!! 離せぇ!!」
じたばたともがくマドルドだった。