第13話【Training】
日々鍛錬
天使とデッドから少し離れた所で剣を振るロダン。
何度も何度も懸命に剣を振っていた。
「如何思う?」
「やっぱ剣の才能無いよ」
天使の言葉にデッドが話す。
「やっぱり?」
「まぁなぁ・・・・・やっぱり魔法メインの教育の方が良いかもしれないな」
「うーん、 でも攻撃魔法の適性が無いんだよね」
「治癒だったら間違い無くこの世界でも歴代最高だと言っていいレベルなんだがな」
「だからこそこんな場所に来る事になったんけどね・・・気の毒」
「それは違うぞ天使、 アイツがここに来たのはアイツ自身の意志だ」
「ロダンの意志?」
「その通り、 アイツ自身の選択だ、 アイツの精神力は並外れている
一切の妥協をしなかった、 だからこそ奴はここに居る」
ロダンの剣がすっぽ抜ける。
「あ、 剣が飛んだ」
「あらあら・・・」
「ちょっと救急箱持って来てー、 手の皮が剥けたー!!」
と叫ぶロダン。
「毎日振り過ぎなんだよなぁ・・・手の皮破れる迄剣を振るって頭可笑しいだろ」
「それこそ魔法で治したらいいんじゃないの?」
「いや、 これだったら応急処置すればまだ出来るからー」
「・・・・・全く、 剣の練習を止めて魔法の練習もすれば良いのに・・・」
そう言いながら救急箱を持って行く天使。
「ありがとー」
「ん・・・」
そう言いながら救急箱から包帯や消毒液を取り出して自分の破れた手を治療するロダン。
「じゃあまたやるよ」
そう言ってロダンは剣を取った。
「いやいや手の皮がそんな状態なら今日はもう止めた方が・・・」
「うーん、 でも僕は剣が下手だし、 この程度何の問題も無いよ」
「何の問題も無いって・・・痛くないの?」
「凄い痛いよ?」
「痛いの?」
「僕、 痛いの我慢できるよ?」
「・・・・・」
手の様子からかなり痛いのは見て取れる。
「で、 でも・・・」
「本人がこう言ってるんじゃあ続けさせるしかねぇわなぁ?」
天使の肩を叩くデッド。
「・・・辛かったら何時でも言ってね」
「うん」
そう言って剣を振るロダン。
「・・・・・」
「天使よ、 気持ちは分かる、 あんな状態になっても剣を振るのは
俺から見てもヤバいと思う」
「じゃあ何で止めないの?」
「へっ、 言わせるなよ、 アレがアイツの生きる道って奴なんだろうさ」
「???」
「分かんねぇかぁ・・・」