第94話【Searcher】
アンデッドも半死人だから怪我人、しかし生きていないのでアンデッドである
ロダンとモルガナは使用人達と戦っていた。
「ロダン飛べ!! ソク家戦斧術、 三の形【方鉛】!!」
ロダンが飛んでモルガナは手刀を下方に下げて円を描く様に振り回す。
ソク家戦斧術三の形【方鉛】、 本来は斧で相手の足を切り落とす技だが
モルガナは手刀で再現する。
狙い通り使用人達の足を切り落として機動力を削ぐ事に成功した。
「DeadEnd!!DeadEnd!!DeadEnd!!DeadEnd!!DeadEnd!!」
足を切られた使用人達は後回しにしてDeadEndで使用人達を浄化し続けるロダン。
使用人達は数を減らしやがて玄関にはロダンとモルガナだけになった。
「ふぅ、 所でロダン、 お前、 何で執事がアンデッドだと気付いたんだ?」
「怪我人とアンデッドは位置が分かるんだよ
結界の外からじゃ分からなかったけども結界の中に入れば分かる」
「そうか、 じゃあまだアンデッド居るのか?」
「居るよ、 奥に何体か」
「そうか、 じゃあさっさと行こう」
「うん!!」
ロダンとモルガナが走り始めた。
一方その頃、 フギットは屋敷の奥に向かって行った。
勝手知ったる他人の家、 アモールの部屋の位置は分かっている。
途中大きな首の無い騎士型のアンデッドに出くわした。
首無し騎士、 デュラハンである。
頭部は感覚器官の大部分が集まる場所、 アンデッドにとってもそれは同じで
頭部が無くなったからと言ってアンデッドが動きを止める事は無いが
それでも感覚器の大部分を失った事で役立たずになってしまう。
ならば感覚器を全身に分散し頭部を排せば弱点は無くなる。
そういうコンセプトで造られたのがデュラハンである。
「どけええええええええええええええええええええ!!」
フギットが絶叫を挙げながらデュラハンを殴り飛ばす。
しかしデュラハンは今までフギットが殴って来た雑多なアンデッドでは無い。
防御態勢を取り吹き飛ばされるのを最小限にした。
「くっそ・・・アモール!! 居るか!? 返事しろ!!」
フギットが絶叫を挙げる。
しかし返答はない。
「この野郎・・・こうなったら」
フギットは指の関節部をコキコキと鳴らし始める。
腕自慢がするような拳を鳴らす様な感じである。
「魔導義肢に付けた機能をここで披露するとはな・・・」