第85話【nyo-n】
にょーん♪
カレー屋では一悶着が有ったが腹ごしらえを終えて満足したのか
宿屋に帰ったロダンと花子、 そしてでぶ妖精達。
「何時まで付いて来るんだ、 このでぶ妖精」
「見張りにょ、 見張りにょ」
「はぁ・・・」
とりあえず帰った事をモルガナ達に伝える為にモルガナとカリエの部屋に入るロダン。
「ただいまー」
「おかえり・・・って何このでぶ妖精」
モルガナが寄る。
「何か付いて来られた」
「これが下界のでぶ妖精かぁ・・・
ジェスター保護区のでぶ妖精とは違うな」
「にょー?」
でぶ妖精を拾い上げてむにむにするモルガナ。
「にょーん♪」
「良いなー、 良いなー」
「もにゅもにゅしてあげるから一列に並びなさい」
「にょーん♪」
でぶ妖精達がモルガナに懐く。
「でぶ妖精の扱い上手いなぁ」
「こう見えても実家ではでぶ妖精と戯れて生活をしていたからね」
でぶ妖精をむーにむーにする。
「にょーん♪」
「でぶ妖精マイスターのスキルも持っている」
「何処で役立つスキル、 とは言えないね
じゃあ僕は部屋に居るからでぶ妖精達は任せた」
「でぶ妖精をあやす役目は妻に任せろ」
「にょーん♪」
「あ、 ロダン、 ちょっと待って」
カリエが呼び止める。
「なぁに?」
「お医者様の所だけど、 今日はお休みだから明日行く事にするわ
だから今日はゆっくり休みなさい」
「そうする・・・この街は怪我人が多過ぎて
イマイチ怪我人が何処にいるのか良く分からない・・・
もっと集中して怪我人探知が上手くなるようにするよ」
「それが良いね」
改めてロダンと花子が出ていく。
「にょーん♪ にょーん♪」
「よしよし」
でぶ妖精を撫でたりつついたりもにもにするモルガナ。
「・・・」
カリエもでぶ妖精を撫でてみる。
「にょにょにょー」
「こうしてみると可愛いんだけどなぁ・・・」
「何時だってでぶ妖精は可愛い」
「いや盗み食いをしたりするでぶ妖精は迷惑」
「盗み食いをしてほっぺが膨らんだでぶ妖精だとしても?」
「だとしてもだ」
「ジェスター保護区では良く見る光景だから結構人気のある構図だぞ?」
「えぇ・・・ジェスター保護区、 意味が分からないわ・・・」
「私としては下界の方が興味深い、 太陽や月、 全てが私を凌辱するような感じで好き」
「Mなの? そしてその表現は如何なの?」
呆れるカリエだった。