災害2「ジュース」
登場
秋(私)
利(お兄ちゃん)
北原先輩(軍曹)(副キャプテン)
守口
ヒカゲ(私の相方)
木下(裏島中OB)
お母さん
「俺の名前は、なんだっけ?」
利だろうが、と思ってまた朝が始まる。
また目を閉じてるおにいちゃんは、いつものとおりに眼鏡をかけ、1階の下りた。
と思えば、階段で力尽きたのか、死体のように横たわっていた。
私はなんとなしに上を踏んでいこうとしたが、いきなりお兄ちゃんが動き出し、階段でこけた。
一種の殺人現場になった。
今日は珍しく、お兄ちゃんの目が開いている。
お母さんが朝ごはんをまだ作っていなかったので、お兄ちゃんはあわててかばんを持って、家から飛び出した。
「いってきまーす。」
「あれ?お兄ちゃんどうしたの?日直とか?」
「何もないけどいってきまーす。」
うわべではあんなことを言ったが、勿論の事、朝ごはんから逃げるためである。
「利ったら、また朝ごはんを食べずに・・・」
「それにしても、今日は土曜日だってのに、利たら何しに行ったのかしら?」
土曜日だった。
私が早起きしてる理由は、西中と裏島中との練習試合があるからである。
「いってきまーす。」
ドアを開けた瞬間、目の前にお兄ちゃんがいた。
「何やってるの・・・?」
「見てわからんか、入りにくいやんけ。」
「そんで、お前どこ行くん?」
「今日、西中と裏島中との練習試合があるのよ。」
「裏島中?お前裏島中とやるん!?」
「気ーつけよ、あいつらめちゃめちゃ、くせもんやど。」
「せや、俺も行ったるわ。」
「えー、くるの?」
「OBとして行ったる。」
正直、来てほしいというわけでもないが、ちょっと見てみたい気もする。
どんな災害になるだろうか。
練習試合は、私の学校で行われる。
日陰「秋、おはよ。」
秋「おはよ、」
日陰「!?」
「利先輩!?」
軍曹「おー、利先輩、お久しぶりです。」
利「練習試合や言うから、来たったで。」
守口「先輩、ちょうどよかった。」
「今、メンバーが一人休んじゃってて、助っ人入ってくれませんか?」
利「えらい、急やな。」
「まあええわ、久しぶりにやったるわ。」
「オレのユニフォームまだあるか?」
守口「部室にあります。」
お兄ちゃんは、自分のユニフォームを記念に残してるようだ。
脱臭剤まで入れて。
日陰「あのー、利先輩、私のこと覚えてます?」
利「あーあーあ、えーーあーあーえー。」
何を交信してるのだろうか。
利「せやせや、日陰やな、覚えてる覚えてる。」
「あーそれと、ホワイトデー返してなかったわ。」
日陰「あ、いえ、そんなのもういいですよ。」
利「まだ20分あるさか、ちょっとこーて来るわ。」
どちらかというと、私は、阻まれているから居辛い。
とか何とか行ってると、裏島中が到着した。
明らかに服も雰囲気も違う、生徒が1人混じっていた。
軍曹「あれ?あの人、木下さんとちがう?何で来てんの?」
秋「木下さんってだれですか?」
軍曹「あの人、OBで、利先輩と同い年の。」
そこへまた都合よくお兄ちゃんが帰ってきた。
利「ヒカゲー、アイスこーて来たでー。」
「一緒に食べよら。」
「ん?何で木下いてんねん?」
木下「おーお、利やないか。」
「久しぶりやの。」
「お前の出るんか、ワシは、助っ人として呼ばれたさかでるんや。」
「お前が出たら、ハンデなくなるやん。」
「中坊相手らつまらんさかいの。」
なんとも感じの悪い人だ。
これ以外にも、色々と腹の立つことを並べていた。
スポーツマンシップのかけらもなかった。
しかし、おにいちゃんは一味違った。
利「そんで、お前誰?」
さっき木下といっていたのに。
木下「またお前はそれ言うか。」
前にも言ったことがあるらしい。
利「お前久しぶりに見たけど、だいぶふっとたんとちゃうか?」
「なんかクラブやってんの?」
「高校で」
木下「ワシはまだテニスやってんねん、お前何しやんねん?」
利「俺、帰宅部やないか。」
木下「冗談やめとけ、帰宅部ら入ったて、ワシに勝てるかい。」
利「ヒカゲー、アイス食おら。」
木下「こら!無視すんな!」
「あのときの恨み晴らいたるさかな、覚悟しとけ。」
会話はおにいちゃんのほうが上手だったが、テニスをしばらくやっていないお兄ちゃんは、大丈夫なのだろうか。
秋「北原先輩、こっちは不利じゃないですか?」
「お兄ちゃん、しばらくテニスやってないんですよ。」
北原「利先輩は、余裕そうやけど。」
お兄ちゃんは、練習するのかと思いきや、日陰とアイスを食べていた。
秋「ちょっと、お兄ちゃん、練習したほうがいいよ。」
利「そうせかすな、アイスが溶けるやろ。」
「おれ、融けたー。」
はじめから融けていたのに。
そういうと、お兄ちゃんは、アイスを飲んで、かごからボールを10個ほど持って、コートに立った。
見たこともない構えで、打っていく。
サーブの練習なのだろうか、感覚だけだろうか。
10ほど打ち終えると、
利「北原、相手してくれ。」
まったく打てていなかったが、10分ほどで勘を取り戻したか、まともな打ち方になった。
練習試合が始まった。
試合の合間にも、お兄ちゃんは練習をしていたが、だんだんおかしくなっていた。
そして私と日陰の番が来た。
相手は利の妹だとかの話をしていた。
が、私が第1打を打つと、サーブが普通とか魔球がどうのこうの言っていた。
日陰は、とてもうれしそうな顔をしていた。
理由を聞くのもめんどくさいから聞かなかった。
大方、爆弾の仕返しがうれしいのだろう。
しかし、試合は惜しくも負けた。
次はついに、木下対お兄ちゃんの戦いがはじまった。
利「よっしゃ、北原いこか」
軍曹「ハイ!いきましょ!」
木下「お前の得意なサーブとらいたるわ。」
利「無理らせんでええのに。」
守口「おーい、利先輩のサーブが見られるぞ。」
キャプテンは、みんなを集めた。
みんなは、お兄ちゃんのテニスをサーブサーブというのなぜなのだろう。
お兄ちゃんの第1打。
さっきやっていた、見たこともない構えだ。
打ち方も完全に当たり損ねだが、まっすぐ飛んだ。
地面に落ちると、急に角度を変えて、あさっての方向の跳ね飛んだ。
そんな球を打てるはずもなく、木下はカラぶった。
偶然だと思ったが、みんなは拍手をしている。
日陰「利先輩のサーブは、やっぱり健在ね。」
秋「健在って?」
日陰「秋は、いなかったもんね。」
「利先輩は、基本技術は、まるでダメだけど、サーブだけは、魔球なのよ。」
「うちのコーチでも取れないわ。」
確かに、さっきの練習風景を見てると、まったくダメだった。
みんながサーブサーブというのは、そこにあった。
第2打同じように、点を取る。
北原先輩の魔球は、お兄ちゃんには劣って入るが、なかなか打ち返せない。
お兄ちゃんから学んだものなのだろう。
北原先輩は1点取られ、1点取った。
あと1点取ればワンセットが取れる。
緊張感がまったくなく、お兄ちゃんの打球で1セットが取れた。
今度は相手のサーブ。
お兄ちゃんのラケットの握り方が明らかにおかしかった。
私が入部したころに、キャプテンから握り方は変えてはいけないと学んだのだが、
第1打、木下の球は、とても速かったが、はずしたので、やり直し。(テニスのサーブは、基本2球打てる。)
北原先輩は次の球を打ち返し、やっとテニスらしくなった。
と思ったが、お兄ちゃんにボールが来ると、とてつもない打ち方でまた変化球になった。
でも、とんでもないところまで飛んだので、点を取られた。
1セットが取られた。
次はおにいちゃんのサーブだが、相手は、さっきの球を見切ったのか、立ち位置を変えていた。
一方お兄ちゃんは、ラジオ体操のように体をひねって、さっきとは違う魔球を放った。
さっきとも曲がる方向が違った。
木下は、「っちょ、おまっ」てな顔をして、空ぶった。
高校生でも取れない球が中学生にも取れるはずがなく、お兄ちゃんは2点を取った。
北原先輩が不調でもお兄ちゃんだけでさらに2点取り、1セットとった。
最後のセットは、(5セットマッチ)北原先輩の活躍で勝った。
私は、このコンビがある意味でかかわりたくない理由がわかった。
真昼の最中、夏でもないのに非常に暑い。
日陰「利先輩、先輩のサーブはやっぱりすごいですね。」
「今度私のも見てくださいよ。」
利「お前には、必要ないやろ。」
「北原のほうがうまいさかな。」
「そいたらもう帰るわ。」
日陰「もう帰るんですか。」
「またきてくださいね。」
利「おー、ほなさいなら。」
おにいちゃんは、すぐに帰った。
と思ったら鬼ちゃんが帰ってきた。
利「借りたラケット持っててもた。」
家に帰ると、お兄ちゃんは、ジュースを作っていた。
利「できたできた。」
一口飲むと、
利「マズ!?なんなこれ!?」
色的にまずいことはわかる。
秋「何いれたの!?これ!」
利「ココアとコーヒーとバナナジュース混ぜたらマズなった。」
一見組み合わせは悪くなさそうだが、私も好奇心で飲んでみたが、ほんとにまずかった。
絶対ほかも入れてるような気がした。
長くなりすぎた・・・。クオリティが深夜・・・。
疲れる・・・。今回お兄ちゃんあんまりへんなことやってない・・・。北原先輩マジメになった・・・。
次回からはこんなことがないようにがんばります。
感想と評価をお願いします。
今回コメディ度が低い。