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伝説1「お兄ちゃんがいた地」

登場人物

秋(私)

利(お兄ちゃん)

北原先輩(軍曹)(副キャプテン)

日陰ヒカゲ

守口先輩キャプテン

お母さん

「皆のもの! われは、戻った!」


お兄ちゃんの朝の第一声が終わった。

どんな夢を見てたのだろうか。

シチュエーションが、想像できなかった。


「なんの夢見てたの?」


私とお兄ちゃんは、同じ部屋で寝ている。

勿論の事、おんなじベッドなわけがない。

お兄ちゃんは、目を閉じていたが、迷うことなく眼鏡をとり、かけて、夢について教えてくれた。

寝起き感があふれ出ている。


「んーーーーーー、んーーーーーーーー。」


寝てるのだろうか。


「お兄ちゃん?」

「幕張メッセ・・・」


お兄ちゃんはいつものとおりだった、よかったよかった。


お兄ちゃんは、どんなにおなかがすいていようと、朝の時間があっても、朝ごはんを食べたがらない。

何しろ、高校入試のときでさえ、朝ごはんなしで挑んだぐらいだ。


「朝飯ら食べたら、頭が働かん!」


保健の授業とまったく逆のことを言っている。

さすがにお母さんは、そんなことを許すはずもなく、


「へんなこと言ってないで、牛乳だけでも飲みなさい!」


お兄ちゃんは、しぶしぶと飲む。

もちろん目は閉じている。

かけた時間は、なんと牛乳1杯に15分!

お兄ちゃんなら喫茶店に居座るのは、お手の物じゃないかと思った。


そんなこんなやってる暇もなく、私も学校へ行かなきゃ。


「おはよ!秋ちゃん。」


この子は、私の同級生の日陰。

たぶんヒカゲと読むのだろう。

それにしてもヒカゲとは、なんとなくヒカゲの親にセンスを感じる。

私も日陰もテニス部に所属している。

何を隠そうお兄ちゃんもテニス部だった。

色々と伝説も残したようだ。

あのお兄ちゃんがなにも残さないっていうのもおかしいから。

いい伝説か悪い伝説かと言うと、両方に当てはまる。


「きーんかーんこーん」


チャイムがまだ壊れてるようだ。

のりのいい若い先生なら、ズッコケしてくれる先生もいた。


つまんない授業が終わった。

廊下で北原先輩に会った。

北原先輩は、テニス部の副キャプテンである。

お兄ちゃんの元相方だったらしいためか、非常に飛んだ性格の持ち主である。


「今日の練習は、みんなでボイコットするか?」

「キャプテンの守口がまたうるさいこと言ってるから、隠れて見てやらね?」


なんとも、副キャプテンらしからぬ、発言。

これでなくては、お兄ちゃんの相方は務まらない。

このコンビは、他校からいろんな意味で厄介な相手とされていた。」

どういう意味だろう?


「そんなことして大丈夫ですか?」

「守口キャプテンが怒りませんか?」


「赤信号みんなで渡ったら、数人は怪我するんだよ。」

「大丈夫大丈夫。」


漫画で言えば、噴出しにグチャグチャが描かれている。

数人怪我してるし。


そんなことも許されるはずもなく、いつもどおりに練習が始まった。

守口キャプテンが部員を集合させる。

うちの学校のテニス部は、男女共同でやっている。


「近々、西中と裏島中との練習試合があるので、今日の練習は、試合をする。」

「軍曹、向こうのコートで試合の配分してくれ。」


「へーへー、」


軍曹とは、お兄ちゃんが北原先輩につけたあだ名である。

定着しているようだ。

本人も気に入ってる。

私の相方は、日陰である。

北原先輩は、年齢など気にせずに、

「お前1、お前2、お前3・・・」

「よっしゃ、1から勝ち抜き戦。」

「1と2入れ!」


「北原先輩ってかっこいいよね。」

「憧れの先輩っていうかそんな感じじゃない?」


「えー、そお?」


私には、どう見ても、お兄ちゃんが少しおとなしくなったような感じにしか見えなかった。

私は、お兄ちゃんが私と一緒の時期になるのがいやだと言うので、お兄ちゃんが引退するまで少し待ってあげた。

お兄ちゃんにもさすがに「兄」は、あるようだ。

だから、お兄ちゃんが、テニス部でどんなことをしてたのかは、しらない。

ヒカゲは、すぐ入ったから、あのコンビを少しだけ知っている。

ヒカゲはあのコンビが好きだった。

お兄ちゃんの卒業式に、第二ボタンをもらいに言った始末だ。

しかしうちの学校は、ブレザーなので第二ボタンは、だいぶ下だった。

それもいいと、ヒカゲは、もらいに行ったものの、すでになかった。

それは、先を越されたとかではなく、ただ取れたままにしてただけである。


「卒業式なんだから付けたほうがいいよ。」


と、卒業式前日にいったものの、


「誰かがもらいに来たらどないすんねん!」


余計な心配だと思ったが、実際に現れたから当日は驚いた。

バレンタインデーのときもヒカゲは本命チョコを2つ作っていた。

北原先輩は、がちがちに緊張したヒカゲを気遣ってやさしく受け取っていたが、お兄ちゃんの場合忍者のような動きをしていた。


「なにやってるの・・・?」


「こうやってな、爆弾から逃げるねん。」


誰も爆弾なんて投げてこないと思っていたが、物好きが1名いた。

お兄ちゃんは、すでに引退してるため、クラブにはもうほとんど来ない。

自転車置き場で、ヒカゲは待っていた。

かごに入れれば終わりなものの、直接渡したかったそうだ。

しかし、こんなところでドジっ子表現などいらないのに、自転車を間違えていた。

ヒカゲは、自分には運命がなかったと思っているが、お兄ちゃんの策略もあった。

それにしても、お兄ちゃんは、チョコを断るのが、逆にすごいと思った。

後々、聞いてみると、お返しがめんどくさいからだそうだ。


そして、なんだかんだ言ってると練習は終わった。


「秋ちゃん、じゃあね、また明日〜。」


「バイバイ」


私は帰って、お兄ちゃんにヒカゲのことをどう思っていたか聞いてみた。


「お兄ちゃん、中学のとき、日陰って子いたでしょ。」

「私と同級生の。」


「おーお、ヒカゲな。」

「覚えてる覚えてる。」

「そーや、バレンタインのチョコレート返してへん。」


「え?いつもらったの?」


「15日。油断しとった。」


何の油断だろうか。

ヒカゲは、私から見ても、アニメキャラのようにかわいいのにもったいない。

それにしても、結局は渡したようだ。

運命がなかったといわれた理由は、お返しをしてなかったからだった。


「返して上げなよ。」


「かえしといったって。」


というと、スーッと逃げって行った。

よくよく考えると、お兄ちゃんの武勇伝はまだまだありそうだ。


「♪昆布だし効いてるよー、かつおと昆布のあわせ技ー」


お兄ちゃんの部屋から患部にとまってを歌う声が聞こえる。

私が東方ランドリーを書くきっかけもお兄ちゃんである。


今までよりもはるかに長いものを書いてしまった。

ちなみに、固有名詞は、すべて変えているので、存在しません。今回お兄ちゃんの活躍少ない。これからは、お兄ちゃんと題名していますが、ほかの人も書いていきます。感想・評価をよろしくお願いします。

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