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天使?人に会う。  作者: ヒモ
5/5

暗いくらい夜の下で。


「何言ってるの?」


僕は気づいた。

この数日間、この時間、この彼女との出会いの意味を。


「すまない、少しだけ…少しだけ待っていてくれ。」


頭の中がぐるぐる回る。

肌が熱い。耳が熱い。

体の中の血があがってくる感覚だ。


「別にいいけど…やっぱ君って変だわ。」


そうだ、そうなのだ。

僕は変なのだ。

変だからこそこの出会いには意味があったんだ。


「君にひとつだけお願いがある。」


きっとこのお願いは僕にとって最良の選択だっただろう。


今でも思う。

この質問が、この夜が、僕の人生を変えた。

大げさでもなく誇張でもなくただの事実。


今から話すのは彼女と出会って、たった数日間の話だ。

なんでもない、天使の僕と人間の彼女、そんな2人のお話だ。


だけど僕はこのたった数日間の彼女を一生、本当に一生、忘れないだろう。

だって天使は死なないのだから。


「えぇ…なに?マジどうしたの?よく意味分かんないだけど。」


この世界には「一生のお願い」というものがあるらしい。



「僕に…君の話を聞かせてくれないか。」



天使の一生は長い。

これは0話です。

0話の始まりです。

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