木実町立団栗高等学校~きのみちょうりつどんぐりこうとうがっこう~
歩こう、歩こう、私は元気。
歩くの、大好き。どんどん行こう。
朝6時に家を出たガクトは、7時すぎには、
200キロ離れた小さな町にたどり着いていた。
「どこだ?俺の通う、木実町立団栗高等学校ってのは?」
目的地のどんぐり高校の場所が分からずイライラしていたガクト。
すると、
「やあ。君も今日からどんぐりに通う新入生かい?」
「は?」
ガクトに話しかける、同じ制服を着た少年。
「うん、その真新しい制服、間違いなく新入生だね!ぼくもだよ。」
「あっそ、てか、どこ?高校。場所分からん。」
「じゃ、一緒にいこうか♪」
無礼な態度のガクト相手でも、とても優しい少年は、
ガクトと共にどんぐり高校のある方へと歩きだした。
「きみ、名前は?」
「ガクト。」
「ガクトくん、どこから来たの?」
「限界村。」
「限界村?聞いたことないなー。どこにあるの?」
「あの山の向こう、こっから200キロくらいのとこ。」
「へ~。じゃー、寮に入るんだね。」
「寮?なんだそりゃ。」
「へ?」
「なんだ?寮って。」
「え、だって、そんなに遠いとこなのに、
てゆうか、どうやって来たの?ここらへんはバスも1日一回しか走らないとこなのに。」
「バスってなんだ?」
「…………。」
そんな話をしてる内に、どんぐり高校に着いたふたり。
「じゃ……、お互い高校生活楽しもうね。」
そうゆうと、心優しい少年は、急いで校舎の方へと歩いていった。
とりあえず、ガクトを関わっちゃいけない危ないヤツだと判断したのだ。
「なんだあいつ。
ま、いいや。
ここかー。どんぐり。ここから、俺の野望が始まるわけねー!!
全国制覇の野望が!!」
言ってる事が確かになんか危ないヤツだった。
木実町、人口およそ500人の小さな町。
その町にある唯一の高校、団栗高校。
在学生30人、そして、今年から入るガクトを含めた新入生は、
たったの6人だった。
そして始業のベルがなる。
はれて、高校生になったガクト。
未だ謎に包まれた、ガクトの高校生活が始まった。




