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新神々戦線  作者: 110
19/21

波乗りガール

あの日、足がブルブル、ブルるにブルった、

ゴウキとの対面の日から早1ヶ月。

ガクトは修行に明け暮れていた。


校庭のどこかにある、鋭く尖る山、鉛筆岳の頂で瞑想するガクト。

洗練された巨大なオーラがガクトを包んでいる。


あの日、

絶対的恐怖を味わったガクトは、

その月に参加する予定だった繰り上げ等級試験を辞退して、

山籠りをして修行に励んでいた。


前とは比べ物にならないほど強さを増したガクトだったが、

自分が強くなればなるほど、

ゴウキたちが遥か遠い、

桁違いの存在だとゆうことを改めて痛感していた。


「勝てねえ。

今のままじゃどうあがいても、

あの化け物共に追い付けねえ。」


落胆するガクト。


「とりあえず、一等級目指して試験受けるか?

でもヘビ親父を倒したところで前進した気もしねぇしな。

しかも強くなったから分かる。

相手の強さが分かるのも強くなった証ってゆうが、

あのヘビ親父も相当強ぇ。

勝てるかも分からねえ。」


独り言をブツブツつぶやく悩み多き少年ガクト。


ゴォォォォォォォ………………


「?!何だ!?」


標高5000㍍はある鉛筆岳の頂に、

その頂毎、飲み込まんとする程の巨大な津波が押し寄せてきた!!


「あ?!」


いきなりの津波に、

完全防御の態勢を取るが、そのまま波に飲まれたガクト。

山の(ふもと)に広がる山林は、

その異常なまでの巨大な津波に押し流され、

一瞬で荒野に変わった。


「………。

な、何だ今のは?」


地にしがみつき、何とかその波を耐えたガクト。


「あ。」


いつのまにか、

ガクトの近くに女の子が立っていた。

同じ神学の制服。

可憐な、清楚な、

可愛らしい女の子。

片手には生け捕りにしたホージロザメを持つ、

危険そうな。


「…………?

何だお前?」


「キミでしょ?

ゴウキたちに会ったってゆう新入生。

まあ、

入学から何ヶ月か経ったからもう新入生でもないかぁ。」


「誰だって聞いてんだよ。」


「わたしはキミが入る半月前に入学した、ミカ。

ヨロシク魔王くん。

ちなみに、一等級☆」


「!!

い、一等級?

俺とほぼ同じ時期に入学してだって?」


「そうだよ。

一等級クラスって言ってもたった3人。

エリカはほとんど部室にいるから滅多に教室来ないし、

もう1人は、

会った事はあるけど、半年も学園に来てない超不登校。

ホントっっ

学園生活退屈↓↓」


「………。」


エリカと同じ一等級と聞いて、

かなり警戒したガクトだったが、

普通なJKな雰囲気に戸惑う。


「二等級クラスにも相当な実力者が揃ってるみたいだよね。

その中でもキミに興味ある。

だって、

あのコユキが一目置いてるみたいだし♪」


「ハゲ、、、コユキが?」


「ひと目見たかっただけだから、もう帰るね。

じゃあね。

とりあえずここまで登ってきてよ?

くすぶってても、何も変わんないよ?」


そう言い残した後、

突如巨大な津波が押し寄せてきた。

その波と一緒にやってきた、

巨大帆船に飛び乗り、

ミカは居なくなってしまった。


「いやいやいや。

ブッ飛んでんなあの女…。

でも、確かに。

やらねーと始まらねー!!

ウダウダ悩んでもしょーがねえ。

次の試験で蛇野をぶっ倒す!!」


俄然やる気になったガクトは二度目の繰り上げ等級試験へ臨む!!

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