波乗りガール
あの日、足がブルブル、ブルるにブルった、
ゴウキとの対面の日から早1ヶ月。
ガクトは修行に明け暮れていた。
校庭のどこかにある、鋭く尖る山、鉛筆岳の頂で瞑想するガクト。
洗練された巨大なオーラがガクトを包んでいる。
あの日、
絶対的恐怖を味わったガクトは、
その月に参加する予定だった繰り上げ等級試験を辞退して、
山籠りをして修行に励んでいた。
前とは比べ物にならないほど強さを増したガクトだったが、
自分が強くなればなるほど、
ゴウキたちが遥か遠い、
桁違いの存在だとゆうことを改めて痛感していた。
「勝てねえ。
今のままじゃどうあがいても、
あの化け物共に追い付けねえ。」
落胆するガクト。
「とりあえず、一等級目指して試験受けるか?
でもヘビ親父を倒したところで前進した気もしねぇしな。
しかも強くなったから分かる。
相手の強さが分かるのも強くなった証ってゆうが、
あのヘビ親父も相当強ぇ。
勝てるかも分からねえ。」
独り言をブツブツつぶやく悩み多き少年ガクト。
ゴォォォォォォォ………………
「?!何だ!?」
標高5000㍍はある鉛筆岳の頂に、
その頂毎、飲み込まんとする程の巨大な津波が押し寄せてきた!!
「あ?!」
いきなりの津波に、
完全防御の態勢を取るが、そのまま波に飲まれたガクト。
山の麓に広がる山林は、
その異常なまでの巨大な津波に押し流され、
一瞬で荒野に変わった。
「………。
な、何だ今のは?」
地にしがみつき、何とかその波を耐えたガクト。
「あ。」
いつのまにか、
ガクトの近くに女の子が立っていた。
同じ神学の制服。
可憐な、清楚な、
可愛らしい女の子。
片手には生け捕りにしたホージロザメを持つ、
危険そうな。
「…………?
何だお前?」
「キミでしょ?
ゴウキたちに会ったってゆう新入生。
まあ、
入学から何ヶ月か経ったからもう新入生でもないかぁ。」
「誰だって聞いてんだよ。」
「わたしはキミが入る半月前に入学した、ミカ。
ヨロシク魔王くん。
ちなみに、一等級☆」
「!!
い、一等級?
俺とほぼ同じ時期に入学してだって?」
「そうだよ。
一等級クラスって言ってもたった3人。
エリカはほとんど部室にいるから滅多に教室来ないし、
もう1人は、
会った事はあるけど、半年も学園に来てない超不登校。
ホントっっ
学園生活退屈↓↓」
「………。」
エリカと同じ一等級と聞いて、
かなり警戒したガクトだったが、
普通なJKな雰囲気に戸惑う。
「二等級クラスにも相当な実力者が揃ってるみたいだよね。
その中でもキミに興味ある。
だって、
あのコユキが一目置いてるみたいだし♪」
「ハゲ、、、コユキが?」
「ひと目見たかっただけだから、もう帰るね。
じゃあね。
とりあえずここまで登ってきてよ?
くすぶってても、何も変わんないよ?」
そう言い残した後、
突如巨大な津波が押し寄せてきた。
その波と一緒にやってきた、
巨大帆船に飛び乗り、
ミカは居なくなってしまった。
「いやいやいや。
ブッ飛んでんなあの女…。
でも、確かに。
やらねーと始まらねー!!
ウダウダ悩んでもしょーがねえ。
次の試験で蛇野をぶっ倒す!!」
俄然やる気になったガクトは二度目の繰り上げ等級試験へ臨む!!