揃う、学園三強
とにかく強い。
学園にスカウトされ、
異世界にやってきた生徒の中ではまだ日は浅い方。
2等級、1等級をごぼう抜きにし、
現時点で最強の称号を持つ、ゴウキ。
とにかくデカい。
エリカより更にデカい、
身の丈2㍍はあろうデカさと鍛えぬかれた筋肉。
髪の毛も超級な、
キツメに当てたパーマよりも巻きに巻かれた天然パーマ。
瞳孔が開きっ放しのような、
睨みの効いた鋭い目付き。
体から放たれる気は、
天を地を、狂わせる。
時化に突風、豪雨に落雷、
全てがゴウキが放つ気に影響を受け、
呼び起こされた異常気象。
ガクトはこれまでの生涯出会った事のない、
この恐ろしい化け物を前に金縛りにあった。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
コユキぃぃぃ、
久しぶりだなぁぁぁ。
あとエリカぁぁぁ。
あと誰だぁぁぁ?
そのゴミは」
ガクトを睨み付ける。
ガンとばされただけで、ガクトは失神しそうになった。
「ゴミはゴミよ。
それはさておき、
半年ぶりに登校してきて、
ここへ私を呼び出した理由を簡潔に述べなさい。」
「なんだ。
コユキ呼んだのはゴウキだったのか。」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
お前に話があってきたぁぁぁ。
ちぃと、付き合えやぁぁぁ。」
「分かったわ。
話は理事長室で聞くわ。
着いてらっしゃい。」
「なんだ?
あたしにはその話し合い参加させねーのか?
おいコラ」
メチャクチャ短気なエリカ。
少しヘソ曲げただけで、
いつでも人を殴り飛ばせるように拳を肥大させていく。
「エリカぁぁぁ。
てめえは俺に一遍負けてんだぁぁぁ。
その俺に意見するなんざぁぁぁ、
100年早ぇぇぇ。
今日のとこらぁぁぁ大人しくしてろやぁぁぁ。」
「ちっ!」
「エリカまたね。
ガクト、分かったかしら?
これが私たち学園トップの実力者たちよ。
逃げ出すもよし、
追うもよし、
あなたの好きになさい。
もしもこの高みまでのぼる事ができたなら、
そのときはお相手するわ。」
「コユキぃぃぃ。
ゴミと喋ってどーすんだぁぁぁ
見ない間に頭ぁぁぁ悪くなったかぁぁぁ?」
「行くわよ。」
そうゆうと、ゴウキとコユキは学園の方へと消えていった。
ブルる。
ブルる。
足はガクガク、震えが止まらない程、
ガクトは心底恐怖を感じ、ブルっていた。
「おいコラ。
何ブルってやがる。
とっとと失せろ雑魚。」
「?」
エリカに首根っこを捕まれ、
ハンマー投げの要領で、
首がへし折れるんじゃないか?ってくらい、
激しく振り回され、
ぶん投げられ、
学園の遥か彼方に放り投げられてしまった。
超等級、学園番長ゴウキ。
超等級、神の化身コユキ。
1等級級長、神の拳を持つエリカ。
その高みへと登るべく、
ガクトは1から自分を鍛え直す為、
今までよりも更に自分を追い込む厳しい修行の日々を送るのでした。