繰上等級試験!
ガクトが入学して早くも1ヶ月。
現実世界では普通の暮らしが出来ない程の力を持った生徒たち。
神風学園に入学して各々、
部活に入部して腕を磨く者、
はたまた山籠り、海籠り?
ジャングル籠り、砂漠籠りして自身を鍛える者。
多種多様、色んな生徒がいるが目的は皆同じ。
卒業証書授与とゆう、
最強の称号を手に入れるためだけに、
高みを目指していた。
3等級から2等級への繰り上げを審査する、
繰上等級試験の日がやってきた。
3等級の生徒全員が試験を受けるわけではない。
壮絶な闘いにより再起不能になったり、
死に至ることすらあるのが繰上等級試験だ。
今回参加の申請を出したのは、
級長ホリーと大魔王ガクトの二人。
担任の先生、魔法使いハーリーとの闘いによって、
繰り上げの合否を審査する。
「さーて、とりあえず2等級なるかー。」
やる気満々、受かる気満々の自信過剰のガクト。
「は。山籠りしてたんだってな?
久しぶりに会ったと思えば、
相変わらずの威勢だな。
でも今回は俺は必ず合格もらうぜ。
3度目の正直。
ハーリー先生の手の内は完全に知り尽くした!」
ホリーも自信満々!
試験会場は、学園の数ある校舎の中で、
別館と呼ばれる試験のみを行う為に建てられた所。
そして、
部活の顧問の先生、どこの誰か見たことないような先生たちが、
審査員として試験に立ち会う。
その中に、2等級担任蛇野の姿もあった。
忍術部顧問がレフェリーとして会場の中央に立つ。
「ホリー、ガクト。
命の保証も、五体満足で後生過ごせる保証もない、繰上等級試験に臨む覚悟確かなら、
中央の闘技台へ。」
なんの迷いもなく二人とも、すぐに闘技台へ上がる。
「それでは2等級昇級をかけた、繰上等級試験を開始する。
ハーリー先生。よろしくお願いします」
闘技台中央に火柱がたつ!
燃え盛る火の中から表れたハーリー!
「よろしくお願いします。
ホリー。そしてガクト。
私を殺すつもりで挑んで来なさい。
魔法使いである私の魔法は、複数相手でも威力が落ちることはありません。
魔法の種類によっては、多人数に唱えることで倍増する魔法も持っています。
よって、
ふたり同時にかかってきなさい。」
「なめやがって。今度こそ完全にぶちのめしてやる。」
「小太りが。大魔王の恐ろしさを見せてやるよ。」
試験開始!!
開始と同時にハーリーが魔法を唱えた。
またもや闘技台に火柱がたち、炎がハーリーを包み込む。
「灼熱オンザロック。
炎をも鎧として纏える私に、通常の打撃は効きませんよ。灰となり散りなさい。」
「どっから火ぃ出すんだ?
なんだ魔法使いって?
現実離れしすぎて闘い方分かんねぇな。」
ハーリーが炎を纏いながら二人に突っ込んできた!!
「うお!?いやいや、、、、あちぃぃぃぃぃ!!!!!!」
業火に焼かれながら突き進んでくるハーリーの貰い火を浴び、
ガクト、ホリーは火だるまとなった。
「甘いっすわハーリー先生!!
その技見飽きたよ!!」
ホリーは素手で闘技台に穴を掘り、もぐらのように地中に潜っていった!
潜った時点で消火された。
「あち!!あち!!あち!!!!!!」
一方、火だるまになったままのガクトはもがき苦しんでいた。
「やれやれ。焼死はかわいそうですね。
氷結インパーティー!」
「!!!!」
ハーリーの魔法によりガクトは一瞬で氷付けにされ、
全く動けなくなった。
地中を掘り続けながら、
ハーリーの背後に飛び出したホリー!
「くらえ!もぐら叩き!!」
「!?」
巨大なハンマーをいつの間にか手に持っていたホリーは、
脳天を叩き割る勢いでハーリーを叩きつぶす!
しかし、
巨大なハンマーは一瞬で灰になってしまった。
「灼熱オンザロック。
そんなものではこの灼熱の鎧は貫けません。」
「ならば、
ホリー奥義!
もぐら無双!!」
素手でえぐり取った闘技台の石を、土を、
弾丸のようにハーリーに連射する!!
その弾丸のようなスピードにより、
燃え尽きる前にハーリーに命中させていく!
「く、、、!!
やりますね!
伊達に試験を何度も受けているわけじゃないですね!
では、お次は、、、、
ん?」
「!!」
ハーリーもホリーも攻撃の手を止める。
氷づけになっていたガクトが一瞬に氷解した。
「やっぱりな。
くだらねえ。
言ったよな?そもそも俺が3等級なワケねぇって。
このレベルの低い闘いにはもう付き合いきれねぇ。」
普段は切り傷のように閉じている、
額の眼が開く。
「魔眼。」
ガクト本領発揮。