大魔王の入学
初代しか持ち得なかった、魔眼を宿したガクト。
その力で、さ迷い続けた草原を抜けることができた。
「アレか。」
正確には、果てしなく広がる草原の中に、
不気味にそびえ立つ校舎にたどり着いたのだ。
神風学園。
ガクトは未だ出会ったことのない強者を想像し、高揚していた。
「始まるぜ。大魔王物語。
マジで俺が最強なの証明してやるよ!!
…てゆうか、お腹空いた…
まず何か食わないと」
学園へと近づく。
校門とゆうよりは、地獄に通じるんじゃねーか?ってゆうような巨大な門。
その門をくぐると、
直ぐ様校舎の入り口の方から誰かが歩いてきた。
「お?第1異世界住人発見~。」
スーツを着たオッサン。
「生徒か?オッサンだから先公か?
てゆーかこの学園に先公なんかいんのか?」
ガクトに詰め寄るオッサン。
「よう。なんだオッサン。」
「ひひひ~。新入生だな?
校門から入ってくるってのは、
まあ、そうゆう事なんだけどなー?
お前何だ?
人か?
獣か?
蛇か?
いや 、蛇は私だ。蛇はいいぞ~~♪」
陽気なオッサンは意味不明なことを好き放題言い出した。
「蛇?は?
てかオッサン誰だ?」
すると次の瞬間、オッサンは口から牙を剥き出しにし、ガクトに毒を吹き掛けてきた!
「!!」
寸での所で毒を交わしたが、僅かにかかった衣服が一瞬にして溶け落ちた。
「な~?蛇はいいだろ~?
毒も吐ける♪」
「いやいや、
なんだてめえ!!ぶっ殺してやる!!」
拳を握り、戦闘態勢に入るガクトに対し、
「まあ待て!入学おめでとうのあいさつだ!
これでお前は三等級クラスへの入学が決定した♪」
「!?あ?三等級ってなんだ?」
「いいぞいいぞ~♪蛇もお前も。
このわたし、蛇野の毒を喰らえば、
解毒治療ののち、
最下級、四等級への入学が義務づけられる。
はたまた、衣服にさえ、かすることなく毒を完全に防ぎ、
わたしへ迎撃する事ができれば、今よりワンランク上、
二等級クラスへの入学が決定したんだがな~。」
「ふざけやがって。、、、、二ってことは一もあるんだな?」
「わたしに攻撃の隙すら与えない、
あるいはわたしの超猛毒すら効かない、
そんな恐~~いおぼっちゃん、お嬢ちゃんたちのいるクラスが一等級クラスだ。
しか~し、これから言うことは決して忘れるな~。
神風学園、超等級クラスこそがこの学園最強のクラスだ。」
「!?超等級…?」
「現在、超等級クラス在籍はたったの二人。
この学園の理事長、兼、学園長のコユキお嬢ちゃん。
そして、学園の番長を名乗ってる、ゴウキ。
お前と同じように、入学の挨拶に伺ったわたしを、
見るなりバラバラに切り裂いてきた、
とんでもない化け物だよね~。
半年も体の再生に時間がかかっちゃったよね~。
わたし自信にも同じ事が言えるが、
ゴウキには決して近づかない事。
これは学園全体の暗黙のルールでもある!」
「いやいや、バラバラに切り裂かれて再生?してるお前も、
化け物だけどな。」
「蛇の力なり♪蛇はいいだろ~?ひひっ。
まあそんなことより、三等級クラス入学だ!
ひとまずおめでとう~。」
蛇親父の正体は結局分からないままだった。
腑に落ちないままガクトは、校舎の中へと入っていき、
三等級クラスの教室へと向かったのだった。