打ち上げ花火、キミに決めたッ!!
九月のとある休日。
白いビキニを身に纏い、私は市民プールに来た。
「まあ、一人で泳ぐのも良いか」
本当ならバイト仲間の京極先輩と一緒に行きたかったのだが、都合が悪いらしく、一人で来た。
私の事、やっぱり避けたいのかな、とかネガティブ思考が頭を過るが。
まあ、泳いで忘れてしまおう。
さて、プール近くに来たのだが。
見覚えのある顔の奴が、スク水で寝転がっていたのだ。
「また名作に喧嘩を売りに行ったなあ」
それも予告を出てきたシーンのみを再現しようとするから、無茶苦茶になるパターンや。
「淀子姉さん、大体何したいかは分かるけど、何してんだ?」
「私と勝負して。勝負して私が勝ったら、私のお願い何でも聞いて?」
どうせお前が勝つわ。
「打ち上げ花火ネタやりたいのは分かるが、まさか火薬持ってねえよな?」
「そこにいる江代に、手持ち花火持ってきてもらった」
打ち上げ花火どこ行ったんだよ!?
隣に江代だと・・・・・・?
姉さんの隣を一瞥すると、そこには。
江代が姉さんと全く同じ感じで寝ていた。
「二人共寝てたらこの話成立しねーだろおい。な〇な増やすな」
「我と勝負せよ。我が勝てば、貴様は我の下僕となって貰おう」
「丁重じゃなくお断りする」
てか私はどうすれば良いんだ?
「そこに三つのチャッカマンがあるじゃろ」
「ポケ〇ンかッ!?」
寝ながらチャッカマンの場所を指差す姉さん。
水色と朱色と緑色の三つがある。
「昔もわしはチャッカマントレーナーとしてならした者」
チャッカマンを育成でもしてんのかコイツら。
「老い耄れのわしには三つしかないが、お前に一つやろう!」
「いやいらねーんだけど」
「取らなきゃ殺す」
「強制ですね分かります」
仕方ねえ、と私はまず水色を手に取って火を点けてみる。
カチャッ、カチャッ。
「火出ねーなおい」
次いで朱色。
「同じだ」
最後に緑。
カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ・・・・・・。
「点かねーじゃねえかッ!!」
「あ、忘れてた。その三本。
確かトレーナーがさっき大量に花火やったせいで、燃料切れてたんだった」
「ここのプールの管理人が、それを何故放っておいてんのか謎だな」
「仕方ない。じゃあスタ子、アレ持ってこい」
スタ子まで来てんの!?
スタ子は少々半目で、黄色い何かを手渡した。
「おい、コレスタンガンじゃね?」
「ピ〇チュウというチャッカマンじゃよ」
「おい偽オーキド。どこをどう見たらコレがチャッカマンに見えるんだ?」
てか名前あんの?
「取り敢えず目開けろ。じゃなきゃこのスタンガンでお前を気絶させるぞ」
「何しようとしてんのアンタ。打ち上げ花火パロやってんのに勝負やらずに気絶とか有り得んから」
「もう打ち上げ花火要素ねえだろ」
ポ〇モンが殆どな気がするぞい。
「じゃあスタ子。それスタンガンらしいから。
取り敢えず手持ち花火、あれで火を点けろ」
え? ま、まさか!?
「《攻撃用必殺機能・地獄火炎》ッ!!」
スタ子の右手が銃に変形し、銃口から花火に向かって全てを焼き尽くす炎が放たれた。
「おいおいおいおいおいッ!! 遂に迷惑通り越して犯罪犯しちまったッ!!」
とりあえず、全員纏めて出禁を喰らった。




