青の美剣士
「う、うわああああああああ!」
なんか、この展開にも飽きたな。
また淀子姉さんが、人気の無い道で男子のヤンキーと戦って勝利していた。
今回はヤンキーが突っかかったのではなく、金が欲しいという理由で姉さんの方から絡んだので、彼らがすごく可哀想に見えた。
「ふははははは。私に勝てる者などいないのだー!」
あー、一度でいいからコイツに天罰下って欲しいな。
淀子姉さんは奪った財布から金を取り出して確認する。
「はぁ? 全部あわせても一万円? 足りなくね?
あと一人くらい来ないかな」
姉さんが笑いながら呟く。
それと同時に、さっきヤンキーが逃げていった方向から一人の男が現れた。
年齢は、高校生だろうか。青い着物に灰色の袴、そして腰に吊された青い木刀。侍のように見える。江代と武器が被っているが、アイツと違い、何だか様になっていた。顔は、強そうには見えないがそれなりの美形。女装しても似合いそうだ。髪は少し長め。
どこかの学校の剣道部員か? と思ったが多分違う。剣道部員ならば胴着を持っている筈だし、第一あんな格好で歩かない。
多分あの少年は、我流で剣術を会得したのだろう。
それならば、あの少年に勝ち目はなさそうだ。淀子姉さんはかつて元ボクサーのヤクザでさえ下したのだから。
淀子姉さんは今も、金を奪おうと少年をマークしている。
そして何故か少年も、姉さんを見て睨んでいた。
まさか戦う気なのだろうか。
少年は淀子姉さんから2メートル程離れた場所で立ち止まる。確定だ。この少年は姉さんと本気でやり合う気だ。
姉さんではなく、少年の方から口を開いた。
「先程逃げていた男から聞いたぞ。何もしていないのに金を奪われたと」
「へー、アンタなんかに頼んだんだー。彼奴等バカだねえ」
どうやら姉さんも、この少年は弱いと思っているようだった。確かに私も、この少年が勝てるとは思えない。
柄に手を添える少年。
「僕は明智三栄。私立朝倉高校に所属している。先手は譲ろう」
何だって!?
それ死亡フラグよ!
「じゃあ遠慮無く行くわよ!」
姉さんが右拳を握る。
風のように素早く、少年――三栄との距離を詰めていく。
アレは私達にあまり見せたことのない、姉さんの本気だ。姉さんが本気で喧嘩することなど、私達とやり合う時だけだ。理由は単純。彼女のパンチは、本気を出せば、それだけで骨を砕くことが出来る。
姉さんと三栄の距離は限界まで縮まった。三栄は右手を柄に添えているだけで、まだ抜刀していない。
姉さんの拳がそのまま三栄の腹に突き刺さりそうになったその時。
彼は漸く動き出す。
右手で柄を握り、姉さんの拳が腹にめり込みそうになるより早く、抜刀した。
青い木の刀身が、姉さんの腹に命中し、彼女は先程拳を握った位置まで吹き飛ばされる。
私はその時、初めて見た。
姉さんに、ダメージを与えた人物を。
「どうした。その程度か?」
三栄は納刀しながら、姉さんを睨んで呟く。
淀子姉さんも、あの程度のダメージで自分が気絶するのが許せないのか、立ち上がった。
「違うさ。本番は――」
大きめのバッグに収納されていた木の槍を取り出し。
「これからだ」
切っ先を三栄に向けて、両手で柄を持って構える。
そしてそのまま、彼に向かって滑走した。
コンクリートの上なのに、まるで氷の上を滑るが如く進む姉さん。
そのまま切っ先が、三栄の胸に突き刺さる。
否、突き刺さろうとした。
三栄の姿が、消えたのだ。
普通の人間では有り得ない、あの神速の抜刀術にも驚かされたばかりだというのに、次は何をする気だろうか。
その次の瞬間。標的を外し、彼が消えた事に驚いて硬直する姉さんを、九つの衝撃が襲った。
あ、あれはまさか。
衝撃が消え、姉さんが私の所まで吹き飛ばされると同時に、彼は出現して囁く。
「九〇龍閃」
再び納刀し、姉さんが気絶したのを見てから、彼は歩き出す。
何故かその時、チラリと私の方を見た気がした。
去りゆく彼の後ろ姿を見て、私は思った。
格好いい、と。
だが。
「うおっ!」
三栄の叫び声。何故かバク転し、そのまま頭を打って仰向けに倒れた。
彼が倒れると同時に、一つの物体も宙に浮く。
それは、バナナの皮。
皮はそのまま、三栄の胸に付着した。
私は数秒凝視してから、見なかったことにしよう、と首を縦に振り、姉さんを引きずって彼が去った方向とは逆の方向に歩き出した。
はーい。次はキ〇グコ〇グのお二人、よろしくー。んなわけない。
松野心夜でーす。最近フリースキル・ファンタジーが上手くいかない松野心夜でーす。
特に書くこともないんだがねえ。そういやさ、後書きって、普通どういうこと書くんですかね?
僕はなんか愚痴しか言ってない気がするんですよ。
まあなので、一個愚痴ります。
最近ね、僕の友人の一人がですよ。幼女って何ってツイートしてたんですよ。
まあなので、それに答えましょう。
僕も、分かりません。というか僕は、性対象として幼女を見たことがありません。
(なんか銀〇先生っぽいなこの答え方)
因みに僕はこの前、主人公に眼鏡フェチを突きつけられたばかりでへこんでおります。
↑自分で書いたのにね。もしかしたらMなのか僕。
というわけで、僕の友人のUzr――おっといけない。ここで名前出せない。
まあそんなわけで廊下に立ってなさーい!