コラボ編第二弾 異世界のスクールアイドル編その七
江代はアサミと交戦していた。
切れ味が無いに等しい木刀で、木を切り倒しながら、江代はアサミを追う。
アサミは唯一の遠距離技《炎弾》で、迎撃しながら逃げ続ける。
――アサミに遠距離攻撃が出来るとはな。
木から木へと飛び移るアサミは、まるで忍者のようだ。
江代は左手をアサミに向け、照準を合わせる。
「ギガウィンド!!」
左掌から強風の刃が放たれた。十本の木が同時に切断される。
それでも、アサミは止まらない。
木が倒れても、彼女はバランスを崩さず、倒れていない木に向かって飛び移る。
「無駄だ。ハウリングマジック・ギガウィンド!!」
先のギガウィンドより射程が長い、風の刃を放つ。
マリーとこっそり特訓していた技だ。あらゆる奇抜な魔法を繰るマリーにすら、ハウリングマジックは使えず、恐らく江代のみが使用出来る技だそうだ。
マイクのハウリングのように、ギガウィンドが進む度に更に巨大なな風の刃と化す。
アサミの炎弾でも迎撃は無理だったらしく、何処かへ飛んでいった。
「ストームマジック・ファイヤ!!」
後ろから飛んできた三連続の火の玉を、江代は前に駆けて躱す。
振り向くとそこには、マリーがいた。
「アサミさんが手強かったので、倒してくれてありがとうございます。
次は江代さんの番です!!
ガトリングマジック・ギガウォータ!!」
魔方陣から大津波が出現する。
「ハウリングマジック・ギガウィッ・・・・・・ぐぁぁぁぁッ!!」
マリーが放った魔法は森ごと江代を押し流す。
魔人のように江代を喰らった波が見えなくなってから、辺りを見回した。
――さて、どこに行きましょうか。
「ボクを無視しないでほしいねぇ」
その声は波が進んだ方向から聞こえた。
馬鹿な。もし波の側にいたなら、一緒に押し流されてもおかしくない筈なのに。
「実はボク、人より少しだけ運が良いんだ」
白い髪に、整った容姿を持つ、マリーより一回り背が高く、女子高生の平均身長を大きく上回る180センチの少女。
琴柄凪が、そこにいた。
「石なら、ボクが持ってるよ」
琴柄は石を弄びながら言う。
この少女の運は未知数。注意して攻撃せねば。
「ちょっと待った!」
その声は上空からだ。声の主も上空から、マリーの近くに着地する。
赤に近い茶髪に、ルビーのような赤い瞳を持つ整った顔の少女。淀子だ。
「マリー、琴柄は手強い。
ここは一時共闘しないか?」
「いいですよ」
「そう言うと思ったよ」
江代が琴柄の方を向く。
「ハハハ。ボクみたいなクズ相手に二人でなんて、随分用心深いね」
琴柄が笑顔で呟く。
マリーはそれをチャンスと思い、杖を振るいながら、呪文を唱える。
「ガトリングマジック・ギガフリーズ!! しばらく眠っていて下さい!!」
スタ子の地獄冷気にも等しい冷気が、マリーの杖付近に出現した魔方陣から放射された。
「あ、れ?」
だが凍ったのは全身ではなく、足だけだった。これも彼女の運なのだろうか。
普通なら、この冷気を浴びれば氷の塊に閉じ込められてしまう筈なだ。
琴柄から石を回収してから、淀子はマリーの方を向く。
「じゃあ、どっちが飯抜きになるか、勝負するわよ!!」
「望むところです!!」




