末っ子ですが?
数時間前から私と淀子姉さんは、ずっと黙って夕日を見ていたが。
「ねえ、思ったんだけどさ」
その沈黙を淀子姉さんは破った。
「何? 淀子姉さん」
「この世界作った、心夜って――どんな奴なんだろうね」
「なんか私達と同じ高校一年生らしいよ。
男子だって」
「へー。他には?」
私がその質問に答える前に、隣に見たことのない高校のブレザーを着る長身の男子高校生が座った。
だが後ろを振り返ってみると、同じような制服を着た生徒も見える。
「ここ、作者の高校の近くの公園らしいけど、栃木の中でも有名な総合学科の高校に通っているらしい」
「他には?」
「ん? Twitter中毒だったり、Twitterでは友達それなりにいたりするのに、現実だと最近一人もいないらしいよ」
「ふーん。あとは?」
「眼鏡と年上フェチ」
「おい、それを話すのはやめろ」
私の隣に座った男子生徒が言う。
「あとはね――
「だからやめろって言ってるよねええええええええええええええ!」
先の男子生徒が叫ぶ。
いや、その前に。
「「つか、あんた誰?」」
私と淀子姉さんが異口同音で、男子生徒に質問する。
「はあ――作者の心夜ですが何か?」
え? こいつなの?
こんな死んだ魚の目している奴が、私の作者?
「ヘイ、マイシスター! サーティー〇ンで、シスター達が好みのフレーバーを買ってき――たーよ?」
アイスを買いに行かせた江代も、長身の死んだ魚のような目をした男子高校生――もとい作者・松野心夜を見た。
「誰?」
「え、えっ」
松野少年はガクリと膝を付いた。
「もーいいや。本編始めてくんない? つか滋賀に帰れお前等」
今日は珍しいパターンの日だ。
大体私達三つ子は、私と淀子姉さん――そして江代一人か、淀子姉さんと江代――そして私一人で行動というパターンが多いのだが。
今日は江代と二人きりだった。
江代はまあ――淀子姉さんに比べれば扱いやすい相手だ。
喧嘩になっても、実力は五分五分なので死の危険を考慮する必要もなし。
ただ困るのが、中二病でうざいというところと、三つ子の中での立ち位置だ。
子供の頃は、私と淀子姉さんだけ泣いていなくて、江代だけ泣いていると、母も父も私と姉さんだけ怒って殴り飛ばし(淀子姉さんの場合はやり返されることもあったので、私だけ殴られたこともある)、江代だけ涙を流して抱きつく両親を見るのは珍しくなかった。因みにおやつを掛けた勝負でのことだった。
だから今でも、私は気をつけていることがある。
こいつ一人だけ泣かせるわけにはいかない、と。
残念だがこの妹は、高校一年生になっても、末っ子という立場を利用しまくっている。
姉妹や兄弟。一人っ子には理解出来ないだろうが、末っ子が一番恐ろしいのだ。
「ヘイ、マイシスター。私にドリンクを持ってきてくれないかい?」
「へ~い」
適当に返事して、部屋を出て、一階に向かった。
これは末っ子の生態の一つ。普段は姉をパシらせる癖に、両親の前だと良い子ぶる。
因みにこれをやらされているのは私だけだ。まあ江代も淀子姉さんには逆らえないから、大体実力が同じぐらいの私にしか頼めないのだろう。
それでもキレることなく、私はオレンジジュースをコップに注いで、階段を上る。
そして部屋に着いた所で、ドアを開けた。
「おい、持ってきたぞ」
「あ~、そこ置いといて」
末っ子の生態の二つ目。姉に頼んで置いて、お礼の一つも言わない。
そして驚くことに末っ子状態になると、いつものキャラを軽く捨てている。
あの中二病は、素ではなく作られたキャラらしい。
「マイシスター。ジャ〇プの新しい奴出たから買ってきてー」
また私をパシらせようとする江代。
だが、もうその手には乗らない。
「自分で買ってこい」
「えー、買ってきてよー。ダメ?」
高速で這いよって、可愛さアピールをする江代。
普段はかっこつけているが、末っ子の時は無駄に可愛さアピールをするから、この妹はうざい。
私はそのまま、反射的に妹を殴り飛ばした。
いつもなら私が頬を殴ろうと大丈夫なのだが、今回は。
「う、うわあああああああああああああああああん!」
大声で嘘泣きをする妹。
末っ子の生態四つ目。気に入らないことがあると泣き出す。
江代はこの後、親にこの出来事を自分が有利になるように親にチクり、そして私は話を聞いてもらえないまま、頬と後頭部にダメージを負わされた。
泣きたいのはこっちだわ、末っ子。
数時間前に、主人公に眼鏡年上フェチと罵られ、この話で、誰と言われてしまった松野心夜です。
テスト期間中なのに、何をやってるんでしょうね僕は。
でもギャグ小説面白くてやめられないっす。
今回は江代の末っ子としての一面を書きましたが、思い切りキャラ崩壊してますね。
つか、中二病キャラ作るの面倒だわ。初と淀子書くのは得意だが、江代書くのは、今は亡きミ〇ル君書くのと同じぐらい辛いわ。いっそ双子にすればよかったかな。
まあ書きすぎたので、テスト終わるまで次の話書きません。
テスト終わったら、汝は裏切り者なりや?書きたいと思います。
じゃあ、今回はここで筆を置かせていただきます。はー、数学嫌い。