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再び、休みたい姉さん
ゴールデンウィークの前日、通学路。
「もうすぐ、ゴールデンウィークだよな」
「で、何?」
姉さんは腕を組む。
「もう先に着いてしまった江代には悪いが、休みたい」
え?
「おいおいおいおい。一年の冬休みも同じような会話した気がするんだが」
「気にするな!」
〇ャー研の魔王かよ。
「で、言い訳は考えてるのか? 私は行くべきだと思うが」
「取りあえず婆さん助けたって事にすればいいんじゃね?」
姉さんが言い終えると同時に、背後からガンッという音が響く。
姉さんの顔が、真っ青になった。
「どうした? 姉さん」
「おい、あれ見ろ」
姉さんに指された方を見ると、急停車したと思われる車の近くに、杖をついたお婆さんが倒れていた。
「・・・・・・。助けようか」
「うん」




