生徒会選挙編 その四(完結)
そして最後。私VS心美。
これで全てが決まる。
「最後に貴女と戦うことになるとはね・・・・・・。私が洗脳を使えなければ何も出来ないとお思いですか?
悪いですが私は、お兄さんとは違いますよ」
そう言うと、心美は腰の鞘に収まっていた刀を抜く。
既に刃引きされており、峰しかない。
対して私の武器は、二丁のエアガン。
相手は刀を扱うことに慣れているかのような、自然な構え。
エアガンはあくまで、ダメージを与える為の物で、人を殺す為の武器ではない。だからこの武器はあくまで相手の動きを止める為の物。
本当の武器は、ポケットに隠したナイフ型の石。勿論これを使って刺殺や斬殺は不可能だが、それ以外ならナイフと同じ事が出来る。これの切っ先部分をうなじに当て、奴を気絶させる。それが私の作戦だ。
「勝負、開始!」
開始と言われたその瞬間。すぐに相手の背後に回る為の行動を開始しようとしていた。
しかし。
開始十秒後。右脇腹から左脇腹に向かって、痛みが走る。
それは、心美の斬撃によるものだ。
そしてその事実を知った瞬間、痛みは驚愕という感情に掻き消されてしまった。
「あれ? 随分驚いていらっしゃるようで」
怯んで動けず、思考も停止していた。
やっと動けるようになり、心美の脚に向かって回し蹴りを放つ。
心美は後方に回避する。
「遅いですね」
「お前が速すぎるだけだ」
発言し終えると同時に、片手で発砲する。
軽々と弾を防ぐ心美。しかし心美はまだ気付いていない。
右ポケットに隠したナイフだけでなく、左ポケットに隠したある銃の存在に。
私はまず、両手のエアガンを宙に投げた。
心美はそれを見て、驚いている。
左ポケットの三つ目の銃を左手で握り、校舎に向かってトリガーを引く。
銃口から飛び出したのは、ワイヤー。
これもこの日の為に準備した物。引っかかってのは、校舎屋上の鉄柵。
そのままワイヤーは金具に向かって縮んでいく。
校舎の壁に張り付いてから、それを蹴り、心美の背中へと接近。
落下中。右ポケットからナイフ型の石を取り出し、うなじに命中させる。
この全ての動作はに掛かった時間は、三秒だ。
心美の首から、破砕音が響く。
そのまま俯せに、洗脳者は倒れていった。
◇◇◇
心美が洗脳によって支持者を増やしていたことは世間に知られ、病院で緊急手術を受けた後、少年院行きとなった。
決闘の事に関しては不問とされ、心美以外は逮捕されることなく、普通に学校に通っている。選挙の結果は、生徒会長・安養寺氏女。副会長・藤堂。
今日は、その就任式。
安養寺の話が終わり、藤堂が壇上に立つ。
そして大きく息を吸ってから、彼女は口を開いた。




