やばくね?
「前の投稿は夏休み中だったけど、終わっちゃったねー」
夏休みが終わっても宿題が終わらない淀子姉さんが、ワークを枕代わりにして寝転がりながら呟く。
「姉さんは宿題とっとと終わらせろ」
「つーか三話出てるけど夏休み過ごしてる話何処にもないんだけど」
「姉さん言い訳するな」
まあでも高校に入学して半年も経ったのか、早いものだな。
「というかあと半年で進級だよ。アンタそれで大丈夫なの?」
「あ、その点なら大丈夫。どうせこの小説サザエさん方式だから最終章近付かない限り高1だし、時系列とか考えなくていいよ」
・・・・・・。そうだった。
「すみませんでしたあああ!!」
悲鳴を上げながら、他校の不良男子達が淀子姉さんから逃げていく。
理由は一つ。彼らの親玉を姉さんがワンパンで片付けたからだ。
私の経験上、自分や江代はともかく淀子姉さんに勝てる人間など聞いたことがない。
父親に怒られて殴られそうになったときもパンチを受け止めて逆に殴るし、そこらの不良相手ならば、数十人までくらいなら男だろうが余裕でぶっ飛ばす。
そして過去には、麻薬によってヤクザと成り果てた元プロボクサーとやりあって勝ってしまう程だ。
私や江代でも、男子生徒二人をねじ伏せるのがやっとなので、淀子姉さんに勝てたことは一度も無い。
おやつなどを賭けた勝負では必ず淀子姉さんが勝つのだ。因みに浅井三姉妹にジャンケンで決めようという言葉は通用しない。淀子姉さんがダメというからだが、その理由は彼女がジャンケンに弱いからだ。
あの不良と別れてから数十分後。
淀子姉さんが空を見上げながら歩いているのを、私は追って歩いている。
私も気になって見上げてみるが、特に気になるものは積乱雲ぐらいで、雨具を忘れたことを気にしているのかと思っていたのだが。
「お、あの雲。ラピュタが来るよ」
雨具じゃなくて、ラピュタかよ!!
「つか高一女子が積乱雲見てラピュタあるって言うのやばくね?」
と返す私。
「じゃあ逆に聞くけど。高一女子で処女ってやばくね?」
「おめえも処女だろうがああああ!!」
「あと町中で大声出すのやばくね?」
あ、思い切り処女って叫んでたああ!!恥ずかしいいい!!
「あと処女っていうワードを恥ずかしいと思うこと自体やばくね?」
「あと言われてから冷静になろうとすること自体やばくね?」
「あとブラウス一枚でブラ着けないとかやばくね?」
「なんで着けないの?貧乳だから?それとも純情なフリしてビッチだったの?」
・・・・・・。
「あ、ごめん。ひょっとして着けなきゃモテると思って・・・・・・」
「もうしゃべんなお前!!」
姉さんに勝てる者は、やはりいなかった。
虚心夜です。パソコンが直らないので、初めてスマホで書きました。
次回はフリースキル・ファンタジー更新する予定です。(パソコンよ、早く来い)