青の美剣士、再び
マジか。
なんで・・・・・・?
「今日こそ私が勝つ!」
なんで・・・・・・?
「僕も全力で貴様を倒すさ」
「「いざ尋常にッ! 勝負ッ!」」
なんでまたこいつううううううううううううううう!?
三栄と淀子は、一斉に駆け出した。
前回 (第八話)のあらすじ
喝上げをしていた淀子姉さんの前に、三栄が現れた。
何かすごい剣技とどこかからパクった剣技で淀子姉さんを圧倒し、格好良く去ろうとしていたけど、私の視界から消える前にバナナの皮に滑って転んだ。
淀子姉さんは彼に倒された後すごく悔しそうに特訓を重ね、先程もわざと喝上げをして三栄を誘い、今に至るのである。
三栄は勢いよく木刀を腰から抜き、目に見えぬ程の速さで淀子の顔面に突きを放つ。
淀子もその速度に追いつき、右手を顔の近くに移動させ、木刀の切っ先を掌で受け止める。
淀子の掌と三栄の木刀の切っ先が激突した時、
嵐の如く、その場で風が巻き起こった。
一瞬だったが、あらゆるものを吹き飛ばす威力を持っていた。
私でさえ、スカートを手で押さえて耐えているのに必死だった。
それだけでは終わらない。
彼女と彼の戦闘は、目で捉えることは不可能なレベルになっていた。
その場で巻き起こった轟音と風が、彼らの戦いの凄まじさを表現している。
「まるで、ド〇ゴンボールだな」
私が唖然とした顔でそう呟く。
まあ、それも仕方ないよ。
だってあの人達。
もう思いっきり気功波出してますものおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
しかもよく見たら空飛んでるぅぅぅぅ!
「おいコラァァァァァァ! なんでお前らが気功波出せてんだよ! なんで舞〇術使えんだよ!」
三栄が何故か〇空術で空に浮かび、両手で少し大きめの紫の気功波を作りながら、淀子に叫ぶ。
「避けられるものなら、避けてみろ!!
お前は助かっても、地球は粉々だ!」
おいい! この街守ろうとしてた心優しき剣士が何でベ〇ータポジ!?
「考えたな畜生!
賭けるしかねえ!」
おい、まさか。
淀子姉さんはゆっくり目を瞑り、それからギュッとした。
それと同時に黄金色のオーラが彼女を包み、彼女の髪が逆立ち、それは金に染まる。
彼女の目は、緑に近い青に変色していた。
そのまま両掌を天に向け、腰の近くに持って行く。
掌からは青い光が溢れ出す。
「か、め、は」
おいやめろ!
「僕のギャ〇ック砲は、決して食い止められんぞ!」
「めええええええええええ!」
周りのコンクリートや建物が、彼らの膨大な気によって粉々になり始めた。
「地球諸共、宇宙の塵になれッ! ハアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
いや塵になるのこの小説だからァァァァァァァ!
「波ァァァァァァァァ!」
三栄と淀子の両掌がお互いの方向に向けられ、波動が一気に飛び出した。
建物などはついにこの気に耐えられなくなり、次々に破壊される。
死人が出たかも知れない。
私もその場に立っているのは大変だった。
今にも吹き飛ばされそうだ。
「ぼ、某漫画のあの技とそっくりだ!」
そりゃそうだろ!
つかオメーの技もそうだから三栄!
「スーパーサ〇ヤ人スリーだぁぁぁぁぁぁ!」
姉さんの逆立っていた髪が全て腰の辺りまで長く伸び、眉毛が消えた。
その瞬間。
青い波動が紫の波動を押し切り、三栄は青の波動に吹き飛ばされる。
「う、お。おあああああああああああああああああああああああああああああ!」
三栄はそのままボロボロな状態で地面に落下し、姉さんもそれを確認してから俯せに倒れた。
その頃には、姉さんは元の髪型に戻っている。
引き分けか――。
良かったな、姉さん。
勝ちたいと思っていた相手に、勝ててよ。
じゃあお互い目覚めたら、その時は握手でもしとくんだぞ。
目を閉じながら逆方向に歩いてその場から抜けだそうとする私の肩を、誰かが掴む。
「え?」
「決闘罪、並びに器物破損の現行犯でお前達を逮捕する」
ぽぽぽ、ポリスメン!?
「待ってええええええええええええ! 私はただ見てただけですう! 本当ですってばァァァァァァァァァァァァァ!!」
今日も私の悲鳴は、街中に響き渡る。
はい。松野心夜です。最近風邪を引きました。
なんか咳と鼻水が止まりません。それなのに淀子姉さん達は相変わらず元気ですな。
バカは風邪引かないって言うしねー。
淀子「何か言ったか?」
いえ、言ってませんよ。
次の話を、気長に待って下さい!
淀子「いや白状しろこのメガネフェチ男ォォォォォォォォォォ!!」