死の淵から舞い戻ってきた
『五月 閲覧数 百件』
「ああああああああああああああああああッ!」
私はスマホを見ながら、ドアを蹴破り入室する。
流石にこれは淀子姉さんと江代も驚いたようで。
何でかは知らないが、土鍋を投げつけられた。
「いってっ! それにあふっ!」
「うるさいわよ・・・・・・」
「なんで土鍋・・・・・・しかも中身入ってるし・・・・・・」
おかげで私のブラウスはびちゃびちゃ、しかも透けて素肌が見える状態だ。
ブラもつけていないのにこれはマズい。
「あー、さっきまで鍋やってたのよ。
某アイドルが出るゲームに出るアレ」
まさかあの闇鍋を作る馬鹿がリアルにいたとは。
まあこいつらならしそうだな、と勝手に納得し、取り敢えず掃除を始めた。
掃除を終えた後、私が慌てた理由を語る。
「取り敢えず言える事は一つ。
このままじゃ危ないってことだ。
今日アイのせいで連載が休止してはいるが、このままだと私達は世間に忘れ去られる一方だぞ」
必死に訴えるが、姉さんの返答はというと。
「別にいいんじゃないの?
そもそもこの小説読みに来る人なんて、十人いれば良い所じゃないの?」
「んあああああッ!
痛い所突くな馬鹿野郎!
今作者が頑張って知名度を上げる為に、異世界モノに挑戦してるんだから、それまで我慢しろよ!
まったく・・・・・・お前らはポジティブに考えることは出来ないのかよ」
「あのね、ポジティブに考えただけで閲覧数上がるなら世話無いわよ。
そんなん考えるだけ無駄よ。
まあ、まずは周一で投稿することを目標にすればいいんじゃない?」
「え?」
「どうせこの話書いたって事は、作者も完全に私らを見捨てきってないってことよ。
だから、周一更新すれば何とか閲覧者も増やせるし、異世界モノが成功すれば、これを呼んでくれる人も増える。
初の好きなようにすりゃいいでしょ」
珍しく姉さんがまともな事を言った。
それに嵌頓を禁じえなかったが、でも。
「もう一度やるか。
皆で。あの馬鹿な日常を過ごそうぜ」
そう、日常は今日から新しいスタートを切る。
浅井初、高校三年生。
最終学年を迎えた私達の話が、時を超えて再び動き出す!
『浅井三姉妹のバカな日常 さーどしーずん!!』
お久しぶりです。心夜です。
浅井三姉妹のバカな日常、連載中止していましたが、再び新たなスタートを切らせていただきました。
本音を申し上げると、このまま放置しておくつもりだったのですが、私の心の中で自分の作品のキャラを見捨てられず、ここに戻ってきてしまった、という感じではありますが。
今日アイの方もありますので、周一更新とはなりますが、これからも応援よろしくお願いします!