再開、そして美少女転校生
馬鹿じゃねえの?
私は取り敢えずそう思った。
無理もない。奴の考える事はよくわからん。
復活早々転校生回なのだから、こんな言葉が出ても仕方ないってそこのお前も思うだろう。
というか、昨日の淀子姉さんの発言にもそうツッコミたい気分だった。
「じゃあ明日からクソ小説再開すっから、なんか転校生回だとよ」
本当に大丈夫なんだろうか。
「まさか今度は他社や他者の著作物に手を染めてはいない筈だ」
と、まあそんな事を思っていたわけなんだが。
その結果がこれだ。
「転校生を紹介する」
入ってきたのは、茶色の短髪に黒い瞳の美少女だ。しかし、どこかで見たことのある感じだ。こことは違う世界で。
ただ、こことは違う世界のそれとは性別が逆転している。
「山田涼子といいます。あ、アイドルをやってます!」
作者ァァァァァァ!
ジャ〇ーズファンにまで喧嘩売る気かァァァァァァ!
「え、あの山田涼子!?」
「嘘、本物じゃん」
「え~!」
クラスメートが騒ぎ出す。
「彼女は本物です。確か、Na! Rou! Jump!のメンバーだそうで」
「はい、そうです」
ホントあのバカなんでもやるなあ・・・・・・。
そんなこんなあり、涼子は私の近くの席になった。
「てか、なんで転校生は私の近くの席に座らされる決まりなんだよ・・・・・・」
右に琴柄、左にスタ子、そして前は涼子。
しかも全員目を惹く美人。私は作者を女体化させたような地味子。
喧嘩を売っているとしか思えない。
「どうも、浅井初さん、ですよね?」
「あ、ああどうも」
だが、性格とかは今までで一番マシかもな。
アイドルってだけなんだし、非凡なのは。
まあでも、こっちの世界での影響を調べた方がよさそうだな。
「なあ、涼子はドラマとか出た事あるのか?」
「うん。ハ〇レンとか暗〇教室とかの主演やったよ」
やはりこっちでもそういうことになってたか。
放課後、転校生に会わせろという姉さんに頼まれ、屋上に赴く。
「へー、今度は山田涼〇のパクリか~」
「元ネタ出すな、ジャ〇ーズ敵に回すな」
再開早々この小説消されてたまるか・・・・・・。
「私と勝負しない?」
「おいバカ、更に怒られるからやめろ」
「何よ私に逆らう気?」
「お前がジャ〇ーズとそのファンに逆らってる。
悪い事は言わない、この小説にこれ以上危ない事をさせるな」
「大丈夫よ、なんだかんだ言ってずっと生き延びてきたし。
面白いし、よさそうじゃない?」
マズいマズいマズい・・・・・・。
ていうか今まで、生きて来たことが不思議だったんだからな。
「あ、ごめん。
そろそろ事務所に行かないと」
「え?」
「ごめんね初さん、また明日」
その場から立ち去る涼子。
「アイドルって大変なんだねえ」
ぽつりと姉さんは呟いた。
ジャ〇ーズファンの皆さまに、心よりお詫び申し上げます。